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2.山形県のすがた

・山形県の人口、地勢、気象

 山形県は、本州の東北部に位置し、西北部が日本海に面し、北は秋田県、東南は宮城・福島両県、西南は新潟県にそれぞれ隣接し、東西約97km、南北約153km、総面積9323.39km2で、人口は平成19年2月1日現在120.5万人である。

 地勢をみてみると、南北に走る奥羽山脈と出羽山地の間に置賜、村山、最上の三盆地を挟み、海岸部に庄内平野を展開し、これらの平野を最上川が貫流し、日本海に注ぐ。

 奥羽山脈は、御所山(標高1500m)、地蔵山(1736m)、西吾妻山(2035m)などの火山を伴う1000m以上の山が連なる。ここを源とする最上川の支流の各河川はいずれも短く、傾斜が急なため各盆地に扇状地を形成している。また出羽山地は鳥海山(2236m)、月山(1984m)などの火山があり、その南の越後山脈には大朝日山(1870m)、飯豊山(2105m)などが続いている。山形県の区分別面積は、宅地3%、農用地13.5%、森林・原野71.8%、道路2.8%、その他8.9%となっている。

 次に気象は、奥羽山地と出羽山地に挟まれる内陸地方と日本海に面する庄内地方に大別され、内陸地方はさらに最上、村山、置賜地域に細分される。

 内陸地方は一般に盆地性気候で気温の変化は大きく乾燥傾向にあり、また、最上地域は深積雪地帯となっており、村山地域では多雨、多雪地帯である。

 一方、庄内地方は日本海の影響を受けて多雨、多照の海岸性気象を示し、気温の変化は比較的少ないが冬期間に季節風の襲来が激しい地域である。

 平成17年における平均気温は山形11.6℃、酒田12.7℃、新庄10.7℃、降水量は山形1196mm、酒田2243.5mm 新庄2135mm、平均相対湿度山形76%、酒田72%、新庄80%、最深積雪は山形69cm、酒田23cm、新庄169cmとなっている。平成18年は豪雪であったが、19年は暖かく少雪であった。

・山形県の地域区分

 旺文社編・発行『日本の地理・東北地方』(平成2年)によれば、山形県の地形の特色によって、村山地方、置賜地方、最上地方、庄内地方の4つの地域に分け、次のように記している。

1)村山地方

 山形県のほぼ中央にある山形盆地を中心とする地域が村山地方で、面積2619km2は県面責の28.1%を占める。山形盆地は、南北の長さ40km、東西の幅15kmであり、東の奥羽山脈から流れ出る河川がそれぞれ扇状地を形成している。

 なかでも乱川扇状地は果樹栽培と畑作地に利用されている。最上川は、盆地のなかで、もっとも低いところへを北へ向かって流れ、その流域の平地には水田が開けている。とくに果樹栽培がさかんなところで、サクランボ、リンゴ、ブドウなどの果樹園が広がる。

 山形盆地の南東部に位置する山形市は県の政治、経済・文化の中心地で、またJR奥羽本線、仙山線、左沢線が集まり、交通機関の中心地でもある。商業が活発で山形市の商品の販売額は県全体の40%を占める。山形市、天竜市、寒河江市には電気機械、食料品、繊維などの工業が発達している。

2)置賜地方

 置賜地方は、米沢盆地、長井盆地、小国盆地などを含む県南部地方で、面責2495km2は県面責の26.8%を占める。

 米沢市は上杉家の城下町で栄え、米沢織りや笹野一刀彫文化が息づいている。ここから新潟県に通じるJR米坂線が出ている。置賜地方は農業が産業の柱となっており、耕地の5分の4が水田で占める。その中心は米沢盆地の西側から長井盆地にかけた地域である。ここには、農家が一戸ずつ分散する散村を形成している。最上川沿いに発展してきた長井市は、水辺に四季折々の花アヤメ、ハギなどが心を和ませる。白鷹町は樹齢500年をこえる桜並木が楽しませてくれる。

3)最上地方

 最上地方は、県の北部にあたり、新庄盆地、尾花盆地からなり周囲は山地に囲まれ、冬は積雪が多く、寒さの厳しい地域で、面責1803km2は県面責の19.3%を占める。

 新庄市は藩政時代戸沢氏の城下町として栄えた歴史の町で東北一といわれる山車パレードは、夏の新庄まつりのメインを飾る。交通の要街として、JR奥羽本線と陸羽東線、陸羽西線の分岐点となっている。付近には褐炭や亜炭の埋蔵量が多く、かつてはこれを掘り出す炭山がいくつもあった。秋田県に近い金山町は豊かな杉の森林があり、木材業がさかんである。尾花沢盆地は雪の多い地域だが、銀山温泉は出羽名湯として知られている。

4)庄内地方

 日本海に面する庄内平野を中心とする地域で、面積2405km2は県面責の25.8%を占める。庄内平野はもともと潟湖だったが、最上川、赤川、日向川などが運搬した土砂で形成された。豊穣な土地に水田が広がり、耕地整理によって大きく区切られ水田は大型機械で耕作されており、庄内米の生産地である。冬は西より強風が吹くため、人々は防風林や屋敷林を育て風雪を防いでいる。海岸のうち、半分は砂浜で砂丘が発達し、冬の季節風での砂を防ぐため松林が育てられており、砂丘にはメロン、スイカ、チューリップ、カキ、ブドウなど栽培されている。

 庄内地方では女の人が働くときは「ハンコタンナ」というものをかぶる。これは布を頭と顔に巻いて目だけ出したもので、夏の暑い日差しを避け、冬の寒さを防ぐ。この「ハンコタンナ」は半端な(ハンコ)布のきれ(タンナ)という意味である。

 酒田市は、最上川河口に広がり、江戸時代海上交通で栄えた港町である。庄内のシンボル山居倉庫は米穀取引所の倉庫として明治26年に建てられた。最近は、港の改修や新港の建設によって工場の進出が目立つ。

 鶴岡市は城下町の伝統を受け継いでいる。小説家藤沢周平の故郷でもある。東にそびえる羽黒山は信仰と観光で多くの人が訪れる。

 飛島は離島であるが、海岸段丘がよく発達シテオリ、耕地には恵まれないが、漁業がさかんで、海産物が豊富にとられる。

 なお、山形県のシンボルとして、県の花は「べにばな」、県の木は「さくらんぼ」、県の鳥は「オシドリ」、県の魚は「サクラマス」、県の獣「カモシカ」と各々制定された。


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