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3.山形県の河川

 山形県の河川を水系別にみると、1)最上川水系、2)赤川水系、3)荒川水系、4)摩耶山水系、5)鳥海山水系群の5つに大別される。

1)最上川水系は、山形県の大動脈である最上川を根幹とする一大水系で、その流域面積7040km2、実に県全面責の76%を占め、また流域人口は約100万人であり、山形県の人口の約80%をも占める。最上川はその源を山形県南福島県境の吾妻水系に発し、置賜、村山盆地を貫流しつつ北流し、庄内平野に出て、その中央を貫流し日本海に注ぐ流路延長229km、その間428におよぶ大小支流と合流する一級河川である。

2)赤川水系は、大鳥池から発する大鳥川と月山、湯殿山、朝日連峰に発する梵字川との荷台支流が朝日村落合地内で合流して赤川となり庄内平野を北流し日本海に注ぐ流域面積857km2、流路延長70.4kmの一級河川である。

3)荒川水系は山形県の西南隅に位置する小国地方に源を発し、新潟県に流出する水系であり、流域面積1150km2、流路延長73kmの一級河川である。
 集水的にはむしろ新潟県に属し、山形県はその上流地域を占めるに過ぎない。この水系は朝日岳に発する荒川を主流とし、横川及び玉川の二大支流が含まれる。

4)摩耶山水系群は、西田川郡の摩耶山(標高1020m)を主峰とする連峰に源を発し、ほぼ平行な流路を西方にとって、日本海に注ぐ水系群で、鼠ケ関川、庄内小国川、温海川、五十川がその主なもので二級河川である。

5)鳥海山水系群は、鳥海山(標高2236m)及び東方の出羽山地に源を発し、直接日本海に注ぐ水系群で、日向川、月光川が主なもので二級河川である。

 以上、山形県の河川は一級河川、二級河川を合わせると延長は3193kmに及び、さらに市町村等が管理する準用河川を含めると延長は3408kmとなる。

4.山形県の水害

 主なる最上川の水害について、建設省東北地方建設局監修『阿武隈川・北上川・雄物川・最上川』(国土開発調査会・平成元年)により、次のように引用する。

・昭和42年8月洪水

 8月の集中豪雨(羽越豪雨)は、本流域全域が梅雨末期の気象状況にあったのに加え、新たに発生した前線が28日輪島の北を通り、日本海西部に停滞していた低気圧を刺激し活動が活発になったことによるもので、早朝からの雨は、前線の動きにつれて強まって、飯豊・朝日山系を中心に西置賜地方で未曾有の集中豪雨となり、特に小国町では29日1時からの時間雨量70mmを記録した。 総雨量は、飯豊・朝日の山岳地帯で300〜600mm、西置賜地方を中心とする県南部で200〜300mmとなった。この左支川白川、野川及び朝日岳東斜面の西置賜地方の各河川は、いずれも警戒水位を突破した。 その被害は、死者8名、全壊流失家屋192戸、床上浸水4120戸のほか、田畑の冠水・流失、道路の損壊等、被災面積は置賜平野で4560ha、村山平野で3050ha、最上平野で1590haに及ぶという甚大なもので、その被害総額は約226億3800万円に達し、法による激甚災害に指定された。

・昭和50年8月洪水

 5日、日本海北部にあった寒冷前線が軟化し、太平洋上に抜ける途中で停滞気味となり、北日本一帯の上空に冷たい空気が入り込んで大気の状態を不安定にした。 5日夜半から降りだした雨は、雷を伴った集中豪雨となり、雨域の中心であった及位・明神沢では4日19時頃から6日8時頃までの雨量が400mmという驚異的な記録となった。これにより鮭川流域の各河川は至る所で反乱し、その被害は最上郡8市町村にわたり、死者5名、負傷者27名、家屋の全半壊247戸、床上・床下浸水550戸、耕地被害3067ha、道路決壊51箇所等被害総額は約188億円に達した。この大災害を被った真室川町に対「激甚災害対策特別緊急業」第1号が適用された。


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