◇ 2. 長崎県の地勢、地形
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長崎県の地勢、地形の特徴について、長崎地盤研究会/九州橋梁・構造工学研究会編『長崎県の災害史』(出島文庫・平成17年)に次のように論じている。
長崎県は東シナ海に突き出た多くの半島と島々からなる。沿岸は大小の岬と入り江が交錯している。長崎県の海岸線の長さは4,137qに及び、北海道に次いで第2の長さである。このことにより971島を持つ日本一の島所有県となっている。
県面積は4,112km2であるが、その45%が平戸、壱岐、対馬、五島などの島々で占められる。また、長崎県本土は離島地区とともに平坦地に乏しく、いたるところに山地や丘陵が起伏し、傾斜地が非常に多い。
地形区分では、山地、火山地の面積は県全体の63.2%を占め、傾斜地15°以上の急傾斜地も51%にのぼり、極めて急峻で起伏に富んだ地形となっている。平地の規模はわずかに諌早、大村地区、東彼杵郡川棚、波佐見町、福江島中央部などに過ぎない。河川の長さは全般的に短く、県内で最も長い佐々川でもわずかに全長21.5qである。
県土の土地利用区分ごとの面積比率は森林58.2%、農用地17%、宅地4.5%、道路3.3%、水面、河川、水路1.4%の順で、農用地のうち田と畑の比率は42:58で畑が多い。
このようにみてくると、長崎県は平野や平地が少なく山がちであり、豪雨ともなればすぐに河川を流れ下って急激な増水をもたらし、水害を起こしやすい。急峻な斜面では崩壊や土石流を発生させる地形といえる。また、少雨傾向が続くと渇水がおこり易い。
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