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ダムの洪水調節効果
(平成25年台風18号、日吉ダム・四十四田ダム)

 平成25年台風18号の接近・通過に伴い、四国から北海道の広い範囲で大雨となり、特に激しい大雨となった京都府、滋賀県、福井県では運用開始以来初となる特別警報が発令された。この大雨により土砂災害、浸水被害、河川の氾濫等が各地で発生し、全国で死者3名行方不明者5名、浸水家屋5,000棟以上の被害が生じた。この時、多くのダムが洪水調節を行い、その効果を発揮した。
 ダムの洪水調節の例として、日吉ダムと四十四田ダムの効果を紹介する。内容、図表などは全て、「災害報告 〜平成25年台風18号に関する被害概要、治水事業の効果等〜 国土交通省水管理・国土保全局 平成 25年10月」によっている。

■洪水被害の事例(京都嵐山)

 テレビなどでも報道され、一般に広く知られたが、京都嵐山では桂川の水位が上昇し、渡月橋が水に浸かり、周辺の観光施設も浸水するなどの大きな被害が生じた。


■日吉ダムの洪水調節効果

 日吉ダムは、下流へ流す水量を最大で約9割低減し、その効果により渡月橋の損傷の拡大を防止するとともに、浸水戸数をほぼ半減できたと推定される。
 また、下流の京都市の鴨川合流点付近では、水位が堤防天端まで上昇したが、日吉ダムの洪水調節などにより堤防の決壊を免れた。仮に決壊したとしたら、約13,000戸の浸水、約1.2兆円の被害が生じたと推定される。


■四十四田ダムの洪水調節効果

 北上川上流域では大規模に出水したが、四十四田ダムの洪水調節などにより下流の盛岡市での浸水被害が防がれた。仮に四十四田ダムがなかったとすると、盛岡市街地で約7,500戸の浸水、約3,200億円の被害が発生したと推定される。
 また、四十四田ダムは、約3,200m3の流木を補足し、下流で流木による二次的被害の軽減に大きく貢献した。


[関連ダム]  日吉ダム  四十四田ダム(元)
(2013年10月作成)
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