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ダム番号:299
 
青下第1ダム [宮城県](あおしただいいち)



ダム写真

(撮影:安河内孝)
046490 だい
085799 安河内孝
085790 安河内孝
046491 だい
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どんなダム
 
石張り重力式コンクリートダム
___ この地域は青下水源地と呼ばれ、わずか1キロメートルの間に三つの水道専用の石張り重力式コンクリートダムがあるが、そのうちの最下流のもの。現在も仙台市の水源として稼働。コンクリートを打った後に、玉石を張り付けている。下流側に副ダムがあり、ダム頂上には管理用の桁橋(青下橋)を付設する。国の登録有形文化財。土木学会の「日本の近代土木遺産〜現存する重要な土木構造物2000選 」にも選定されている。
周辺に自然散策路や水道記念館
___ 青下水源地は、豊かな自然に恵まれ、ダム周辺は、レンガ造り風の水道記念館や散策路、ハイキングコースなどが整備されている。
テーマページ ダムインタビュー(30) 樋口明彦先生に聞く 「ひっそりと自然の中に佇むようなダムが美しい、とスペインの名もないダムを見て気づいた」
ダムツーリング -ダムの細道・東北-
このごろ 青下ダムへ行ってきました
左岸所在 宮城県仙台市青葉区大倉字大原新田  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯38度17分54秒,東経140度41分41秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  青下第2(0km)  青下第3(1km)  大倉(3km)  愛子溜池(7km)  七北田(8km)

河川 名取川水系青下川
目的/型式 W/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 17.4m/43.4m/千m3
流域面積/湛水面積 20km2 ( 全て直接流域 ) /2ha
総貯水容量/有効貯水容量 114千m3/106千m3
ダム事業者 仙台市
本体施工者 ダム事業者直営
着手/竣工 1931/1933
ランダム情報 【ダムカード配布情報】2021.8.1現在 (国交省資料を基本とし作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver1.0
○仙台市水道記念館 開館日の9:30〜16:00(休館日については、ダムカ-ドの配布は行っておりません。)※休館日:月曜日(祝休日を除く)、祝休日の翌日(土・日曜、祝休日を除く)、冬期(12/1〜3/31)
ダムカード画像コレクション
青下第一ダム Ver.1.0 (2015.04)
[協力:安部塁]
リンク Dam's room・青下第1ダム
kazu_ma’s WALKING-DIARY・青下第1ダム
THE SIDE WAY・青下第1ダム
ダムマニア・青下第1ダム
水道記念館(仙台市)
雀の社会科見学帖・青下第1ダム
青下ダム(社団法人日本土木工業協会)
青下水源地散策路のご紹介(仙台市水道局)
文化遺産オンライン・青下第1ダム(文化遺産オンライン)
文化遺産オンライン・青下第1ダム取水塔(文化遺産オンライン)
諸元等データの変遷 【06当初→06最終】堤頂長[41.5→43.4]
【06最終→07当初】河川名[青下川→須部都川] 堤体積[4→]
【07当初→07最終】河川名[須部都川→青下川]
【08最終→09当初】堤高[17.4→17]
【09当初→09最終】堤高[17→17.4]
【12最終→13当初】本体施工者[仙台市直営→ダム事業者直営]

■ このごろ → このごろ目次
青下ダムへ行ってきました

 
11月19日(木)、宮城県にある 青下ダムへ行ってきました。
まずはお忙しい中、調整して案内して下さった中原浄水場の場長さんと職員さん、本当にありがとうございました。

青下ダム水道記念館に集合し、場長さんから青下ダムの概要説明。
青下ダムは昭和6年から昭和9年にかけて建設され、下流から第一ダム・第二ダム・第三ダムとなっていて、3つのダムが同時進行で工事が行われた。この青下ダム建設工事のおかげで、当時大不況で失業者が大勢いた仙台市から、失業者がいなくなったそうです。
堤体に敷き詰められている玉石などは、近くにある大倉川から索道で運び、セメントなどは仙山鉄道で熊ケ根駅経由で運んだそうです。



最初に向かったのが青下第二ダム。
第一、第三ダムと同じく昭和9年に完成した歴史あるダムで、長年私達の生活を支えてくれている頼もしいダムです。
堤体の上に敷き詰められた玉石の上を水が流れる風景は、他のダムでは見られない繊細さ?キレイさがありました。
融雪期で、堤体全体から流れていればもっとキレイでしょうね。




季節の移ろいを感じながら、ダムの周りをぐるっと回れるハイキングコースがあるようなのですが、災害で、山肌が崩れて危ないところやトンネルの出入り口をふさいでしまっている所があり、現在も通れないそうです。職員さんも、危険なので、迂回して点検作業をしているそうです。
写真の流木などは、9月の豪雨の時のものらしいです。
すさまじい勢いだったようで堤体の玉石も削られてしまっていました…。


第二ダム見学後、青下ダム旧管理事務所へ。
昭和8年、当時流行り始めた?洋風を取り入れた建物で、白くて、曲面階段室や丸窓が なんともおしゃれでかわいい。
丸窓は、船艦窓をイメージした設計だったようです。
10年くらい前まで管理事務所として使っていたようです。




次に第一ダムへと向かいました。


(上の右側の堤体を写した写真は以前行ったときのもの。今回はいい写真が撮れなくて。)

第一ダムへ到着すると〜…
副ダムが無惨な姿になっていて、びっくりショック…。
こちらも9月の豪雨被害だそうです…。
こんなにも削り取られるなんて…。
それほどすさまじいもの、波打ち、叩きつけるような流れで、かなりの恐怖を感じるくらいだったそうですから…。


次に、青下隧道入り口へ!!


第一ダム左岸側の量水池から中原浄水場へ向かう延長696m導水隧道入口。
(現代にはないセンスのよさ、素敵さ、いろんな想いが感じられます)
隧道坑門…坑門両脇の柱型やコーニス部のマチコレーション飾りにより仕上げられた丁寧な造りの石造ポータルで、軽量で耐久性があり、防水性、耐火性に優れ、加工しやすい“秋保石”が使われているそうです。
坑口アーチ部分にある“碧流混々”という字は、“青々とした水の流れが尽きることなく湧いているように〜〜”という願いが込められているそうです。


ヤギの頭をモチーフにした噴水口が特徴の“青下ダム記念碑”にも秋保石が使われているそうです。他に秋保石が使われていて現存しているのは、昭和7年建築の、東北学院大学土樋キャンパスのラーハウザー記念礼拝堂だそうです。
機会があればぜひとも見てみたいものです。



水道記念館に戻ったら、来館記念として、 青下ダム→中原浄水場で水道水となった“ごくり☆きらりせんだい”ボトルウォーターをいただきました。(1人1本)
“仙台の水道水は美味しい”と、有名ですが、本当に飲みやすく美味しかったですよ。
水道記念館は、12月1日〜3月31日まで冬季閉館となるようなので、来春ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
水道記念館、2015年4月1日〜11月19日午前中までの来館者数は 13780人 だそうで結構な人が見学に訪れているようで嬉しく思いました。
今年4月から配布が始まった青下第一ダムダムカードも好評のようです。
水道記念館の館長さん、スタッフさんにも大変お世話になりありがとうございました。


水道記念館には子供たちにもわかりやすいいろいろ勉強になるコーナーがあります。




最後に、青下第一ダム・ダムカードです。


(2015.12.11、ダムマイスター 03-045 ダムぅ〜女)


■ テーマページ(抄) → テーマページ目次

ダムインタビュー(30)
樋口明彦先生に聞く
「ひっそりと自然の中に佇むようなダムが美しい、とスペインの名もないダムを見て気づいた」

玉石の謎


青下第1ダム(撮影:安河内孝)

中野: その他にはありませんか?全国のダムを見て回って、お好きなダムとか、特徴のあるダムとか。

樋口: あとは、仙台の上水の水源になっている青下ダム。堤体に漬け物石くらいの玉石を詰め込んでいるのです。なぜ玉石なのか、似たものを探したけれど他にない形です。

 使っているのは地場で出てくる石です。農家の方達が塀をそれで造っていたりします。設計者の名前はわかっているのですが、なぜ玉石を積むという方法を選んだのかがわかりません。うち大学の修士の学生が一年つぶして、仙台に泊まり込んで調べましたが、結局わかりませんでした。もし理由が見つかったら絶対に論文が一本書けたのですが。(笑)

中野: すごく特徴的なのですね?
樋口: 凸凹があるから水の勢いを和らげる機能もある。つるっとした面より水勢を殺せる。でも、ある程度時間が経つと石が外れそうです。だから、どのくらいまで石を埋めるかを決めるのが難しかったと思います。表面すれすれまでモルタルを塗ったら玉石が見えなくなっちゃいます。大きく石を出すとそこに水が当たりますから、ポロっといっちゃいそうですが、そうならない。今でも越流斜面はちゃんとしています。切石ならありますが、あれだけの規模の玉石は見たことがない。ほんとうにきれいです。これもオタク的な話ですみません。(笑)

 ・・・→ 全文はこちら
(2011年3月作成)


→ ダム便覧の説明
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