全項目表
 
ダム番号:395
 
森吉山ダム [秋田県](もりよしざん)
 [旧名]阿仁川ダム(あにがわ)


ダム写真

(撮影:marcの人)
157966 s_wind
157969 s_wind
128381 だい
163508 marcの人
D-shot contest 入賞作品   →ダム便覧トップ写真   →フォト・アーカイブス [ 提供者順 / 登録日順 ]
どんなダム
 
近くの名山の名に改名
___ 河川名から阿仁川ダムだったが、昭和61年、地元町の要望で、森吉山県立自然公園の中心で眺望も素晴らしく、地域の象徴的な山である森吉山に因んで森吉山ダムに改名。
ダム軸が曲がっている
___ ダム軸が、堤体中央より右岸側でやや折れ曲がった形で計画されている。これは、風化の著しい軟質岩をコア敷きに出現させないようにしたため。又ロック敷きは、軟質岩の風化防止対策を実施し、これを除去していない。
CM方式を試行
___ ダム建設にCM方式を導入した最初の事例。堤体工事と原石山工事が別々に発注されており、両方の施工調整など施工マネジメントをCMRが行う。平成14年5月から3名体制であったが、平成15年4月からは4名体制で施工マネジメントが実施されている。
エコダムへの取り組み
___
[写真]エコダム検討会
工事環境保全住民モニター制度
___
ダム工事の本格化に伴い、水質、騒音・振動、道路交通等多方面にわたる影響を未然に防止するため、工事区域に日常的に接している地元住民で構成する工事環境保全住民モニターを設置。住民モニターは、工事環境保全対策について、日頃の生活の中で気づいた点の連絡や定期的な現場パトロール・会議を実施している。
[写真]工事環境保全住民モニター
広報館の開設
___
平成14年9月に、ダム建設工事の情報提供や、地域の自然や歴史・文化・風土の学習施設としてダム広報館を開設。広報館の展望台からは、ダム工事が一望できる。約1年1ヶ月後の平成15年10月に来館者5万人を迎えるなど、盛況だ。
[写真]広報館
なぞのX
___
貯水池周辺には、主に縄文時代中期から後期、晩期にかけての多数の遺跡が存在、ダム工事に先行して発掘調査を実施している。中でも、X型をした配石遺構は、全国的にも珍しい形で「なぞのX」として地元町民のみならず考古学ファンも注目。
[写真]X型をした配石遺構
ダム湖は「森吉四季美湖」
___ 2009年7月からダム湖の名称を公募、県内外から413点が寄せられ、10月27日の「第2回森吉山ダム ダム湖名称選定委員会」で応募作品を参考に名称を協議、「森吉四季美湖」に決定。地名である「森吉」と、四季折々の美しい場所という意味の「四季美」を合わせたもの。
テーマページ ダムツーリング -ダムの細道・東北-
ダムの書誌あれこれ(85) 〜米代川水系森吉山ダム〜
マネジメント技術活用方式を試行(森吉山ダム)
このごろ 森吉山ダム竣工式
左岸所在 秋田県北秋田市森吉  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯40度02分09秒,東経140度27分28秒   (→位置データの変遷

河川 米代川水系小又川
目的/型式 FNAWP/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積 89.9m/786m/5850千m3
流域面積/湛水面積 248km2 ( 全て直接流域 ) /320ha
総貯水容量/有効貯水容量 78100千m3/68100千m3
ダム事業者 東北地方整備局
本体施工者 大林組・間組・五洋建設
着手/竣工 1973/2011
ダム湖名 森吉四季美湖 (もりよししきみこ)
ランダム情報 【水特法関係】森吉山[法第9条指定ダム等]、水没総面積:360ha、水没戸数:141戸、水没農地面積:160ha、ダム等の指定年月日:S63.3.1、水源地域指定年月日:H4.1.27、整備計画の決定年月日:H4.3.16
【ダム工事年表】仮排水路(1998.3〜2004.3) 本体掘削(2002.3〜2003.12) 本体打設/盛土(2003.11〜2007.8)
【ダムカード配布情報】2021.8.1現在 (国交省資料を基本とし作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver2.0
○@森吉山ダム管理支所 A森吉山ダム広報館 @8:30〜17:15(土・日・祝日を含む)※広報館閉館時に提供しますので、管理支所正面玄関の脇にあるインタ-ホンを押してください。 A9:00〜16:00(土・日・祝日を含む)※休館日:毎週水曜日及び冬期間(12月〜3月)
ダムカード画像コレクション
森吉山ダム Ver.1.0 (2007.07)
森吉山ダム Ver.1.1 (2012.06)
森吉山ダム Ver.1.2 (2016.03)
リンク Dam's room・森吉山ダム
ダムニュース/森吉山ダム「試験湛水開始」(ダム技術センター)
ダムニュース/森吉山ダムコア盛立開始式(ダム技術センター)
ダムニュース/森吉山ダム定礎式挙行(ダム技術センター)
ダムニュース/森吉山ダム転流式(ダム技術センター)
ダム工事総括管理技術者会ホームページ・森吉山ダム
国で管理・建設しているダム(秋田県建設交通部河川課)
森吉山ダム管理支所(国土交通省森吉山ダム管理支所)
水力ドットコム・森吉山ダム管理用発電所
水力ドットコム・森吉発電所
東北のダム(国土交通省東北地方整備局)
参考資料
■〈環境保全対策シリーズ〉 森吉山ダムの周辺環境整備について/金山輝男
【ダム日本 No.605(H7.3)】
■森吉山ダムの計画概要と施工の特徴/神崎 彰・荒木勝彦・山谷博志
【ダム日本 No.703(H15.5)】
関連書籍 ■建設省阿仁川ダム調査事務所 『新聞報道にみる阿仁川ダムの経緯』 建設省阿仁川ダム調査事務所 1985
諸元等データの変遷 【05最終→06当初】左岸所在地[北秋田郡森吉町根森田→北秋田市根森田]
【06最終→07当初】河川名[小又川→飯詰川] 目的[FN→FNAWP]
【07当初→07最終】河川名[飯詰川→小又川]
【08最終→09当初】堤高[89.9→90]
【09当初→09最終】堤高[90→89.9]
【10最終→11当初】流域面積[250→248]
【11最終→12当初】左岸所在地[北秋田市根森田→北秋田市森吉] 湛水面積[310→320]
【12最終→13当初】本体施工者[大林・間・五洋→大林組・間組・五洋建設]

■ このごろ → このごろ目次
森吉山ダム竣工式

 
 森吉山(もりよしざん)ダム竣工式が平成24年3月、秋田県、北秋田市、能代市、東北電力(株)、森吉山ダム工事事務所で構成された、「森吉山ダム竣工式実行委員会」の主催により、ダムサイト右岸の広場において、関係議員の皆様、移転者の方々、行政機関、工事関係者等約370人が出席し執り行われました。

 オープニングとして地元有志の皆様による「火祭り太鼓」の演奏が披露され、主催者代表として実行委員長の北秋田市長の挨拶、来賓としてお越し下さった秋田県知事並びに国会議員の皆様からのご祝辞、国土交通大臣(代理)から挨拶がありました。続いて、森吉山ダム工事事務所長より事業経過報告を行い、常用洪水吐からの記念放流、移転者の方々に故郷を偲び故郷に感謝を捧げていただく「故郷献花」が行われました。
 また、秋田県無形文化財にも指定されている「阿仁前田獅子踊り」が披露された後、湖名碑「森吉四季美湖」とダム名碑の除幕式が行われ、最後に能代市長のご発声による万歳三唱で竣工式を終了しました。


【森吉山ダムの概要】

 森吉山ダムは、米代川水系阿仁川の右支川小又川の上流約5kmの位置(北秋田市森吉地内)に建設されました。洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい用水の供給、水道用水の供給、発電の5つの目的を持つ多目的ダムです。
 ダムの形式は、中央コア型ロックフィルダムで、堤高89.9m、堤頂長786m、堤体積585万m3です。流域面積248km2、湛水面積3.2km2、総貯水容量7,810万m3、有効貯水容量6,810万m3、洪水調節容量5,050万m3、利水容量1,760万m3となっています。

【森吉山ダム建設のあゆみ】

 米代川や阿仁川沿川地域では、過去に幾度となく洪水による被害を被ってきました。昭和43年度から阿仁川ダムの予備調査に着手していたなか、昭和47年7月に洪水が発生し、家屋6,450戸、耕地8,836ha、公共施設822箇所などが浸水し、未曾有の被害を受けました。この洪水を機に、ダム群による洪水調節を考慮した「米代川水系工事実施基本計画」が策定され、この計画の一環として昭和48年に実施計画調査のために「阿仁川ダム調査事務所」が開設されました。
 昭和63年2月には、「森吉山ダム建設に係わる基本計画」の告示を行い、平成元年には下流工事用道路工事に着手、平成3年6月に「森吉山ダム建設に伴う一般補償に関する協定」締結及び基準の妥結調印、平成8年7月には移転対象戸数200戸全ての移転が完了しました。
 平成14年3月にダム本体工事に着手、平成15年11月に小又川を転流、平成17年6月にはダム定礎式を挙行、平成19年8月には堤体盛土が完了しました。
 平成22年1月に試験湛水を開始し、12月6日に計画最高水位(EL177.2m)に達し、平成23年1月20日に無事、試験湛水を終了させています。


 ダム建設工事にあたって、「森吉山ダムエコダム検討会」を設け、自然保護団体を含む学識経験者等の方々から幅広く議論をしていただき、その意見・提言を周辺環境や景観に反映したダムづくりを進めてきました。また、本体工事の施工管理には、ロックフィルダムで日本初の試みとして、民間技術を取り入れたCM技術活用方式を試行し、品質保持、コストの縮減、確実な現場管理の推進、コスト構造の明確化、施工全体の透明性向上などを図りました。

 昭和48年の「阿仁川ダム調査事務所」の開設による着手から、39年を費やした森吉山ダムの竣工を出席者全員がお祝いした一日となりました。

 (写真提供:東北地方整備局能代河川国道事務所)

(2012.4.23、東北地方整備局能代河川国道事務所)

→ ダム便覧の説明
ご意見、ご感想、情報提供などがございましたら、 までお願いします。
ダム便覧内の写真、文章、データなど全ての内容の無断転載を禁じます。