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ヨーロッパの古城の風格
(豊稔池ダム)

 豊稔池ダムは石積式の5連のマルティプルアーチダム。マルティプルアーチダムとしては国内には他に2連の大倉ダムがあるのみ。大正15年から4年の歳月と延べ15万人の労力を投入して完成。設計指導は佐野藤次郎。米国で先端技術だったマルティプルアーチ方式を、日本で初めて適用。周囲の山あいの景観と調和し、中世のヨーロッパの古城を思わせる。
 建設後長期を経て老朽化が著しかったため、マルティプルアーチダムの基本形状と景観を大きく変更しないことを前提に、補修を実施。改修ではなく補修を、外観を変えないでという地元の人々の熱望に応えた。平成6年度に補修が完了。これは、補修後のダムを写した写真です。写真は、1,4,5,7〜11が平成8年、安河内孝氏撮影、3,12が平成7年、廣池透氏撮影。
下流からの全景。石積みを補修してそのまま残す。5連のアーチ、それを支える扶壁部(バットレス)がそそり立つ。中世のヨーロッパの古城を思わせる風格といわれる景観はそのままに。

上流からの全景。上流面は、コンクリートで覆い、漏水などに対処。下流からとは異なった印象の景観。ダム日本1995.3より。

緑に囲まれて。

アーチと扶壁。扶壁部にはサイホン式洪水吐が設けられており、放流水が白く見える。
近くから見るアーチと扶壁。石積みの重々しさがある。

サイホン式洪水吐の構造。ダム日本1994.9より。
右岸側から。

扶壁部と洪水吐。放流水が減勢池に落下。
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近くから扶壁部にある洪水吐

減勢池
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満水状態。中央やや左に堤頂が見える。

満々と水を湛える。堤頂が自然調節方式の洪水吐きになっていて、アーチ部を越流する。
[関連ダム]  豊稔池ダム(再)
(2003年6月作成)
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