1. 自然と人間
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水の惑星、地球が直面している環境問題
地球は水の惑星であり、生命体のゆりかごです。今、その地球環境が危機を迎えつつあります。20世紀が開発の時代であったとすれば、21世紀は保全の時代である。20世紀初頭に20億人であった人間が、世紀の終わりには60億人を超えました。その人口爆発を支えた主なエネルギー源は化石燃料であり、莫大なエネルギーの消費が予期しない地球環境の悪化を招きました。地球温暖化、酸性雨、砂漠化、熱帯雨林の消失、オゾン層の破壊、化学汚染物質、生物種の激減など、一国の対応では対処できない深刻な問題に直面しています。地球環境問題に関して、当時のソビエトのシュワルナゼ外相、ゴルバチョフ書記長が国連総会で歴史的演説を行って以来、既に17年、20世紀の悪夢の一つであった米ソの冷戦構造に終止符は打たれましたが、地球環境問題に関する事態は一向に好転していません。
失われつつある身近な自然
開発に伴って森林は伐採され、河川・海岸はコンクリートで覆われました。水田のあぜ道や溝もコンクリートで覆われ、子供達が遊ぶ姿を見ることができなくなりました。我々は安全と効率性を手に入れる代わりに貴重な生態系を失ってきています。生態系の破壊は、人間の精神の育成にも悪い影響を与えます。人間は自然の申し子であり、自然との調和無くして生きていくことは出来ません。多様な自然の中に限りない慈しみを感じ、豊かな心が育ちます。人間は多様で豊かな自然無くして生きていくことが出来ないということに気づき始めつつあります。
壊してきたものに比べると、今取り組もうとしている自然再生は微々たるものです。僅かな空間に自然を取り返したとして、それに何の意味があるのか分かりません。しかし、少なくとも今取り組みを始めなければ、自然に満ちあふれた地球の将来の姿はありません。
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