8.千曲川と犀川の特徴
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梓川は北アルプス槍ケ岳(標高3180m)を源とし、上高地を抜け、松本盆地に広大な扇状地を形成し、そこで奈良井川と合流したあと犀川となる。犀川は明科町で高瀬川と穂高川と合流し、峡谷を縫うように北流し、長野市で千曲川と合流し、さらに千曲川は飯山盆地を貫流して新潟県へ流れ下る。
犀川の流路延長 157km、流域面積3037km2、一方千曲川の流路延長 214km、流域面積4126km2である。犀川と千曲川の流域面積を合わせると7163km2で、長野県全体の流域面積 13585km2の53%を占める。
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千曲川と犀川について次のような特徴がみられる。
・河川勾配は、千曲川では、飯山盆地と長野盆地は1/1000以上の緩やかな流れで、新潟県境から飯山盆地までの狭窄部及び長野盆地より上流は1/200 以上の急勾配となり、佐久盆地より上流は1/50以上の急な勾配である。 一方犀川は千曲川合流点までは1/400 程度であるが、これから上流1/200 となり、松本盆地より上流は、さらに急な勾配となっている。
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・千曲川と犀川の流量を比較すると、1年間の流量は、犀川が千曲川の倍となっていることがわかる。
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・千曲川の川幅を上流からみてみると、佐久、上田、長野、飯山の盆地と狭窄部を交互に流れ、その川幅約 250m〜1000mと大幅に変化している。 特に、長野盆地下流の立ケ花狭窄部と飯山盆地下流の戸狩狭窄部は、両岸に急斜面が迫る峡谷となっている。犀川も松本盆地から長野盆地まで渓谷を形成している。
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このような地形から、一度大雨が降ると上流の平野部に集まった大水が一気に山間の狭窄部に流れ込み、水害を起こしやすい。
近年では、昭和57年9月12日〜13日の水害(台風18号)で、支川楢川で破堤、千曲川流域で37人の死傷者が出た。昭和58年9月28日〜29日の水害(台風16号)では、千曲川本川破堤、家屋被害は約6600戸に及んだ。また、平成16年10月20日台風23号の水害では、替佐久地区で浸水の被害が生じた。このため、河川管理者は、新たな堤防をつくり無堤地区の解消、弱小堤の強化、河床の掘削、河川断面の拡幅、を図っている。ソフトの面では、光ケーブル綱を利用した情報ネットワークで結び、平常時も河川情報(雨量・水位・水質・気象情報・河川監視映像)の提供がなされている。このような河川情報は、インターネットやiモードによって誰もが利用しやすいように図られている。続いて、長野県(事業者)が施行した治水、利水を目的としたダムの建設を追ってみたい。
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