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日本初のアンカー、ここにあり
−藤原ダム 副ダム−

北川 正男
 
 日本初のアンカー(現在ではグラウンドアンカーと呼ぶ[注1])は藤原ダム(1958年竣工 堤高95m 建設省)の副ダム(1957年 堤高15m)にある[注2]。副ダムは3ブロックからなり、左右岸の両側ブロックは重力式コンクリートダム、中央ブロックは当時世界でも最先端のPCアンカーを採用したP.S(プレストレスト)ダムに挑戦、断面とコストの節減を目指した(図1、2)。

 藤原ダムの工事記録[注3]は語る。


 当時の技術者魂を強く感じる。 竣工から50年経った今も、P.Sダムは利根川の計画越流量1,100t/sの水圧に耐えている。ダム技術者達が先端技術で自ら設計し、自ら作り上げた。写真中央部分がP.Sダム(12m)、設計荷重312tのPCアンカー10本が支えている。快い緊張感のある作品である。

副ダム(手前)と藤原ダム(撮影:阿部 繁)

副ダム(中央12mがP.Sダム)(撮影:阿部 繁)
[注]
(1)グラウンドアンカーについては、社団法人日本アンカー協会のページに説明がある。
(2)地盤工学会「グラウンドアンカー設計・施工例」
(3)関東地方建設局「藤原ダム工事誌」

P.Sダム参考図

図1 断面図 

図2 上流面図 

[関連ダム]  藤原ダム(元)
(2007年10月作成)
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