全項目表
 
ダム番号:605
 
藤原ダム(元) [群馬県](ふじわら)

 → 藤原ダム(再)

ダム写真

(撮影:さんちゃん)
026414 灰エース
026445 灰エース
120194 萃香
062193 だい
063940 さんちゃん
047669 Dam master
047739 Dam master
064011 さんちゃん
D-shot contest 入賞作品   →ダム便覧トップ写真   →フォト・アーカイブス [ 提供者順 / 登録日順 ]
どんなダム
 
利根川改訂改修計画により建設された最初のダム
___ 1947年のカスリーン台風により利根川は未曾有の出水となり、埼玉県大利根町付近で堤防が決壊、決壊した水は東京都江東区まで流れ込み、莫大な被害が生じた。このため、1949年、経済安定本部の諮問機関・河川調査会は全国主要10水系について、物部長穂が提唱した河水統制計画に基づく多目的ダム建設を柱とした「河川改訂改修計画」を答申。これを受け建設省関東地方建設局は1952年、利根川水系に9基のダムを建設する「利根川改訂改修計画」を作成。その第一号として建設が計画されたのが藤原ダムである。
揚水発電の下部ダム
___ 藤原ダムでは完成当初からダム式発電が行われていたが、その後玉原ダムが建設されて藤原ダムとの間で揚水発電も行うようになった。藤原ダムが下部ダムで、玉原ダムが上部ダム。有効落差518m、揚水時の全揚程559mは世界最大級。
国内最大のホロージェットバルブ
___
利水放流設備としてホロージェットバルブがあり、ホロージェットバルブとしては国内最大だという。口径φ2,400oで、放流量100m3/秒の放流能力を持つ。放流のときの迫力がすごい。
[写真](撮影:Dam master)
シリーズ ダム百選 投票から
第 22 回  『 春に行きたいダム 』
■ ダム周辺に桜の咲く草木ダム等も春らしく、対して藤原ダムは湖側には桜が咲いているスポットはあるものの、ダム堤体周囲にはありません。
が、藤原ダムはここより上流の奈良俣ダム、矢木沢ダムの融雪後の水量を一手に引き受けているのでゲートやバルブからの放流が5月ごろから激しくなります。その光景を見ると遅いながらも春を実感できます。 (41〜50歳 男)

テーマページ 第3回 D-shot contest 〜こんな写真も〜
「理の塔、技の塔」 〜私説・戦後日本ダム建設の理論と実践〜 (4) 敗戦・GHQ・復興それにダム建設
平成23 年7月新潟・福島豪雨による 矢木沢・奈良俣・藤原ダムの洪水調節効果
「関越総合水資源開発計画」について
(財)ダム技術センター第20回「ダムフォトコンテスト」受賞作品
「理の塔、技の塔」 〜私説・戦後日本ダム建設の理論と実践〜 (11) 電力需要急増・河川一貫開発・河川法全面改正
ダムインタビュー(81) 堀 和夫さんに聞く 「問題があれば一人でしまいこまずに,記録を共有してお互いに相談し合う社会になってほしい」
ダムインタビュー(72) 長門 明さんに聞く 「ダム技術の伝承は計画的に行わないと、いざ必要となった時に困る」
第1回 D-shot contest 受賞作品
『ダムサイト』主催ダムツアー、参加報告
第1回 D-shot contest 〜こんな写真も〜
日本初のアンカー、ここにあり −藤原ダム 副ダム−
このごろ 融雪期のダム見学
みなかみ町 ダムカレー企画進行中!
ダムカレーのポスターが届いた
ダムをうたう(19) -渡鳥さえ巣は恋し-
これはダムなのか?カレーなのか?
みなかみダムカレーを食べた
ダムと東京スカイツリー
左岸所在 群馬県利根郡みなかみ町藤原字大倉  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯36度48分16秒,東経139度02分12秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  藤原(再)(0km)  小森(2km)  玉原(4km)  須田貝(7km)  奈良俣(再)(10km)  奈良俣(元)(10km)

河川 利根川水系利根川
目的/型式 FNP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 95m/230m/415千m3
流域面積/湛水面積 400.2km2 ( 直接:138.2km2 間接:262km2 ) /169ha
総貯水容量/有効貯水容量 52490千m3/35890千m3
ダム事業者 関東地方建設局
本体施工者 西松建設
着手/竣工 1951/1958
ダム湖名 藤原湖 (ふじわらこ)
ランダム情報 【ダムにいる鳥】国土交通省「河川水辺の国勢調査」(2003)
カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、アオサギ、オシドリ、マガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、カワアイサ、ハチクマ、トビ、オジロワシ、オオタカ、ツミ、ハイタカ、ノスリ、サシバ、クマタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、ヤマドリ、キジバト、アオバト、ジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、コノハズク、フクロウ、ヨタカ、ハリオアマツバメ、アマツバメ、ヤマセミ、カワセミ、アカゲラ、オオアカゲラ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、サンショウクイ、ヒヨドリ、モズ、カワガラス、ミソサザイ、ノゴマ、コルリ、ルリビタキ、ジョウビタキ、ノビタキ、トラツグミ、クロツグミ、アカハラ、ツグミ、ヤブサメ、ウグイス、メボソムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キクイタダキ、キビタキ、オオルリ、エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、ノジコ、アオジ、クロジ、オオジュリン、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、ウソ、イカル、シメ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、アオシギ、コチョウゲンボウ
【ダムの歌】「あゝ藤原湖」 作詞:西條八十 作曲:古関裕而 歌:伊藤久男 ・ 奈良光枝。 昭和30年8月に吹き込みがされ、コロンビアレコードが制作、当時の資料には「流行歌」とある。
【ダムの歌】「湖水音頭」 作詞:西條八十 作曲:上原げんと 歌:久保幸江 ・ 鶴田六郎。 昭和30年8月に吹き込みがされ、コロンビアレコードが制作。
【ダムカード配布情報】2024.8.2現在 (国交省資料を基本とし作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver1.0
○藤原ダム管理支所 8:30〜17:15(年末年始は配布していません)
ダムカード画像コレクション
藤原ダム Ver.1.0 (2007.07)
藤原ダム 節水にご協力を!! [平成28年度渇水]
リンク DAM-goodfellows・藤原ダム
Dam's room・藤原ダム
damsite・ダムデータ
damsite・ダム写真集
Damstyle・藤原ダム
THE SIDE WAY・藤原ダム
ウィキペディア・藤原ダム
おぼえがき・藤原(ふじわら)ダム
ダム『京』・藤原ダム写真集
だむ†ほりっく・藤原ダム
ダムペディア・0605-藤原ダム/ふじわらだむ
ダムマニア・藤原ダム
ダム好きさん【藤原ダム】
ダム日和・夏休み特別版 親と子のダムめぐり
ダム浪漫−藤原ダム
関東ダム31か所巡り
関東の堰提・群馬県・奥利根のダム
今日の貯水量(東京都水道局)
水所探検ぐぁ!!
水力ドットコム・玉原発電所
水力ドットコム・藤原発電所
雀の社会科見学帖・藤原ダム見学 その1
夕顔的日常・頭文字F
利根川の3ダム(国土交通省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所)
諸元等データの変遷 【05最終→06当初】左岸所在地[利根郡水上町大字藤原字大倉128→利根郡みなかみ町藤原字大倉128]
【06最終→07当初】左岸所在地[利根郡みなかみ町藤原字大倉128→利根郡みなかみ町藤原字大倉] 河川名[利根川→最上川] 竣工[1957→1958] 流域面積[401→400.2]
【07当初→07最終】河川名[最上川→利根川]
【19最終→20当初】ダム名[藤原→藤原(元)]

■ このごろ → このごろ目次
ダムをうたう(19) -渡鳥さえ巣は恋し-

 
    「ああ藤原湖」作詞 西条八十

    春はあかるき山ざくら
    秋は武尊の祭り笛よ
    おもいで多き あの森この丘
    いまこそ沈む 波の底
    なつかし藤原
    ああ湖底のふるさと

    渡鳥さえ巣は恋し
    まして産土うまれた里よ
    幼き夢のあの花この花
    かぞえて君も我も泣く
    なつかし藤原
    ああ湖底のふるさと

 この歌については、群馬県の詩人おの・ちゅうこう著『奥利根の歴史と旅』(崙書房・昭和57年)のなかに、次のように、掲載されていた。

「湯檜曾には本家旅館の他に林家旅館、なかや旅館などがある。こうした三峡の宿は都塵を洗って心をしずめるにはよい所だ。・・・西条八十が依頼されてダムに沈んだ村人のために作詞したというのを、宿の女中が歌うのを聞いた。いかにも西条八十らしい哀愁にみちた巧な歌詞だ。」

 藤原ダムは、利根川本川の群馬県利根郡みなかみ町藤原地先に昭和34年に完成した。昭和22年9月カスリーン台風で群馬県、埼玉県、東京都などは甚大な被害を被り、そのために利根川流域の洪水調節と河川維持用水と電力供給の目的をもって築造された。ダムの諸元は堤高95m、堤頂長230m、総貯水容量5249万m3、型式は重力式コンクリートダムである。ダム建設により159戸が湖底に沈み、村人たちは移転を余儀なくされ、故郷をあとにした。八十はその村人たちの心情を、渡り鳥さえ巣は恋しいものだと、歌う。

 なお、日本ダム協会・ダム便覧によると「ああ藤原湖」は、昭和30年8月作曲 古関裕而 歌 伊藤久雄 奈良光江でコロンビアレコードが製作したとある。

(2010.1.15、古賀邦雄)


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平成23 年7月新潟・福島豪雨による
矢木沢・奈良俣・藤原ダムの洪水調節効果

 平成23 年7 月新潟・福島豪雨では、矢木沢ダム上流域で72 時間雨量が631mmとなるなど、矢木沢ダムと奈良俣ダムで管理開始以来、最大となる流入量を記録した。
 洪水期間中に、矢木沢・奈良俣・藤原の3ダムでは、利水容量の空き容量を有効利用したことにより、3ダム合計で最大約9,909 万m3(東京ドーム80 杯分)の水を貯留し、下流の洪水被害の軽減を図った。
 この洪水調節によりダム下流のみなかみ町湯原地点(旧水上町第一保育園付近)では約5.9mの水位を低減させる効果があったものと推測される。

 以下、このような3ダムの洪水調節効果について、国土交通省利根川ダム統合管理事務所と水資源機構沼田総合管理所の記者発表資料(平成23年8月2日)に基づいて、関連データ等を紹介する。なお、数値は速報値であり、今後変わることがあり得る。


【藤原ダム】

藤原ダムでは、最大流入量は950 m3/s を記録した。
  計画高水流量 毎秒1,400m3
  最大流入量 毎秒950m3:30 日4:40 観測
この時の放流量は178 m3/s であり、最大流入量時の調節量は772 m3/s であった。また、洪水期間中(72 時間)に約1,591 万 m3 の水がダムに貯められた(東京ドーム約13 個分)。


 
■ 湯原水位観測所付近の水位低減効果

湯原水位観測所に近い旧水上町第一保育園(みなかみ町湯原)付近の、ダムが無い場合の最大流量(推測値)時である7 月30 日5時における水位低減効果量は約5.90mに達した。




 
 ・・・→ 全文はこちら
(2011年8月作成)



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『ダムサイト』主催ダムツアー、参加報告

 平成16年5月15日(土)、『ダム サイト』の岸利透さんが主催する『ダムツアー』が開催された。ダム関係者ではない個人が主催するダム見学会としては、日本で初めて?ではないかと思われる。ツアーには、(財)日本ダム協会からも参加させていただいた。これは、その参加報告である。
◇ 藤原ダム

 藤原ダムは、昭和33年3月に完成。西松建設施工による、堤体積415,000m3、堤高95.00m、堤頂長230.00mの重力式コンクリートダム。数年前に天端道路の拡幅工事を終えている。


 ダム管理用道路のゲートには、今日、藤原ダムの説明と案内をしていただく国土交通省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所の職員の方々が我々の到着を待っておられた。ゲートを開き、管理用道路をダム直下まで先導して頂く。
 いよいよ到着。バスの乗降ドアが開くやいなや、カメラ片手にあたかも檻から放たれた野獣のように参加者たちは駆け出した。
 藤原ダムはクレストゲート及びホロージェットバルブから毎秒17m3を放流していた。ダム好きの最も喜ぶ状態である。もちろん、これを狙っての企画なのだが、まさに思惑通りで、参加者一同、ベストポジションを求めてカメラ片手に走り回る。こうなると手のつけようが無い。各自に思い思いに写真を撮ってもらい、少し落ち着きを取り戻すのを待って、管理事務所職員に説明を始めて頂いた。
ホロージェットバルブからの放水

ホロージェットバルブ前にて
 管理事務所職員の事業概要、ダムの概要についての説明の後、右岸側の管理用道路を通り、堤体の方へと移動を開始した。

 監査廊・エレベータは業務用(点検用)であり階段は急勾配で足元は漏水等で濡れていて通常は一般人立入禁止もうなずける。昭和30年代のダムにもかかわらずコンクリート面もきれいで日本の技術力の高さをあらためて感じさせられた。
 初めての方もいた様で、歓声がひっきりなしに通廊内に谺する。職員の方に先導され、減勢工左岸側へ移動した。参加者にはお年を召されたご婦人もいたので、緊張しながらの移動となった。

監査廊内部の定礎石
 減勢工左岸では、またしてもベストポジションを探しに明け暮れる参加者。しばし撮影タイム。我々も撮影に熱中してしまった。それほどまでに洪水吐きを流れ落ちる水には人を引きつけてやまない魅力がある。

 一行が落ち着きを取り戻したところで、再度監査廊を通り右岸側へ。作業用斜行エレベータ(インクライン)を使用し、二班に分かれ天端へ移動。待ち時間はそれぞれ適当に写真を撮ったり、ダムに見入ったりしながら過ごす。全員が天端でしばらく過ごした後、取水塔へ移動。ぐるりと一周して管理所に立ち寄り、今回のお礼を述べる。お土産にと、藤原ダム写真入りのミネラルウォーターとキーホルダを戴く。全員充分満足しきって藤原ダムを後にした。

 ・・・→ 全文はこちら
(2004年6月作成)


→ ダム便覧の説明
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