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◇ 3. ワシタカ類の調査

 ワシタカ類は地域の生態系の頂点に位置し、自然の豊かさを象徴する生物である。環境庁では猛禽類の保護に向けて1996年に「猛禽類(イヌワシ、クマタカ、オオタカ)保護の進め方」が刊行され、さらにレッドリストによって絶滅危惧種に指定した。

 ダム事業において、環境が変わり、工事期間も長期にわたることから、ワシタカ類の生息に大きな影響が懸念される。このためイヌワシ、クマタカ類の調査方法をまとめたのが次の書である。

 ダム水源地環境整備センター編・著「ダム事業におけるイヌワシ・クマタカの調査方法」(信山社サイティック・平成13年)では、「クマタカの行動圏であるコアエリア、繁殖テリトリー、幼鳥の行動範囲から構成されており、各々のエリアとダム事業による改変の関係から対象つがいの影響を把握することができるとしている。しかしながら、ダム事業が地域に生息するクマタカに及ぼす影響をより詳細に検討するためには対象つがいへの影響のみならず、つがい以外の成鳥、亜成鳥への影響を検討する必要があり、これらの狩場の解析が重要となる」と指摘する。

 なお、イヌワシ・クマタカ等調査指針検討委員会は委員長小野勇一(九大名誉教授)、阿部學(新潟大教授)、山崎亨(日本イヌワシ研究会事務局長)のメンバーで、3人の検討委員によってこの書はとりまとめられた。


「ダム事業におけるイヌワシ・クマタカの調査方法」

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