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■水力発電ダム



 水力発電は、ダムを造って、川の水を堰止めて、貯め、その水が高いところから流れ落ちる水の力によって、発電所のタ−ビンを回転させて、発電機の中の磁石をまわすと、磁石にとりいれているコイルが電気をおこし、送電線をもって電気を送るしくみとなっている。

 ジョン・サッチウェル著、梅谷陽二訳『水力エネルギ−』(ポプラ社・昭和61年)では、水力発電について、イギリスのウェ−ルズ地方にある揚水発電所、フランスブルタ−ニュ地方のランスにある海水の満ち潮と干き潮を利用した潮せき発電所などを写真と図で表している。
 イアン・グラハム著、菊池美代子訳『水力エネルギ−』(文渓堂・平成12年)は、アメリカ・コロンビア川のジョン・デ−・ダムなどの2200万キロワットの電気の供給、ノルウェ−では電力の 100パ−セント近くが水力発電によってまかなわれ、世界で一番多くの電気をつくる発電所は南アメリカ・パラナ州のイタイプ水力発電所で1332万キロワットであると紹介している。

 さらに、佐々木宗雄、宮地保憲監修『水力』(偕成社・昭和57年)には、ニュ−ジランドのトンガリロ水力計画、波の力を電力に変える波力発電、海の温度差を利用した温度差発電システムについて学ぶことができる。日本の水力発電の未来は、河川水だけでなく、波の力や黒潮の流れなどの水の力を利用した発電計画が進められていることが分かる。
 発電電力量の構成比について、九州電力・の発電電力量を平成6年度の実績でみると、原子力38%、LNG(液化天然ガス)22%、石油17%、石炭17%、水力 5%、地熱 1%となっている。水力の比率は意外と低い。
 かつて、私は電力会社の人に「ベストミックスエネルギ−が一番良い」と教わったことがある。このことは、一つのエネルギ−の方向に偏っては、リスクを伴うということであろう。


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