■ダムの一般書
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ダムは、川の水を堰止めて貯留し、水害を防ぎ、取水、利水を図る目的で構築される構造物である。伊藤武志著『ダム』(オ−ム社・平成9年)は、まんがで学ぶ専門土木シリ−ズの一巻である。まんがという構成をもって、ダムの種類と構造(貯水ダム、ダムの形式)、コンクリ−トダムの施工(準備工と仮締切、転流工、基礎掘削工、基礎処理工、コンクリ−トの製造、濁水処理、ダムコンクリ−ト、ブロック工法とレヤ−工法、コンクリ−トの運搬、コンクリ−トの打設、RCD工法)、(ロック)フィルダムの施工(フィルダムの計画、フィルダムの施工)の順で描かれている。ダム現場や施工管理のイメ−ジづくりに役立つダムの入門書である。随時に2級土木施工管理技師試験、土木施工技術者試験に関する問題が出されている。
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この書を児童書といえるかどうか疑問を持つが、敢えてまんがということで児童書とした。この「ダム」の書を含めて、鋼構造、コンクリ−ト構造、ダム、トンネルについて一冊に纏めた同著『コミック版 専門土木』(オ−ム社・平成15年)がある。
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建設省長井ダム工事事務所編・発行『こどもダム百科事典』(平成5年)は、長井ダムの建設を通じて、ダムに関する子どもたちの疑問に、例えば、次のような一問一答形式でもって著している。
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(ダムはどうして「ダム」という名前がついたのですか?) 「ダムという言葉は、英語のdamからきています。この英語のdamの語源を調べてみると、古い英語では「ふさぐ」とか「さまたげる」という意味のdemmanいう言葉から変わってきたといわれます。この言葉が日本に入ってきたのは明治時代ごろと思われますが、そのころダムを「堰堤えんてい」と訳していました」
(長井ダムではコンクリ−トや鉄をどのくらい使うのですか?) 「長井ダムのコンクリ−トの体積は約 130万・で、必要なセメント量は20万トン(普通のセメントに入っている袋にすると 500万袋)、使う砂利量は約 290万トンです。また、鉄筋として使われる鉄の量は1100トンとなります」
(世界ではほとんどの国がダムをつくっているのですか?) 「世界のほとんどの国がダムをつくっています。大ダム会議に登録されている国の数は1988年で 133ケ国になります。ダムの数がいちばん多い国は中国で約19,000ダムがあります。2番目はアメリカで約 5,500ダム、3番目は日本で約 3,000ダムがあります」
なかなか大人にとっても勉強になり、69の問いに的確に答えている。子どもたちがダムのことを学び、将来、ダム技術士が誕生することを期待したい。
その他のダム一般書については、荻野哲士著『ダム』(ポプラ社・昭和38年)、ダム技術センタ−編・発行『ダム博士のなんでもチャ−ト』(平成8年)が刊行されている。
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