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◇森林の役割は多大

《森林の公益的機能》

 七ヶ宿ダムの完成により、七ヶ宿町にとりましては好むと好まざるとに拘らず、水源を守るという大きな使命があります。
 私は、この水を守るという使命を積極的に担っていこうと考えています。町民が、水資源を守るという崇高な使命を誇りとし、田畑を守り、森林を管理して水質日本一を目指すことは、極めて大きな意義をもつものと思うからです。
 わが国の総面積は、およそ37万8千平方キロメートルで、その内の67%25万平方キロメートルが山林という森林大国です。
 この森林は、私たちの生活に欠くことのできない各種の用材を供給するほかに、水源かん養、大気浄化などの重要な役割を担い、私たちの生活を守っています。

 林野庁では、森林の公益的機能の経済評価に取り組んでいます。
 平成12年の試算によりますと、森林の公益的機能を市場価値に換算するとおよそ70兆円になるとはじきだしています。
 このように、大きな役割を担う森林ですが、森林を守り育ててきた多くの山村では、人口が減少し、高齢化が進行していて森林の管理が行き届かないのが現実で、森林は荒廃の一途を辿っています。


 このようなことから、森林の大切さ、森林の果たす役割を全国民に理解をしていただくことが肝要であります。蛇口を捻って水を飲む事ができるのも、普段呼吸をすることができるのも、森林がその役割を果たしているのだと分かってほしいのです。

《地球温暖化》

 今、二酸化炭素に起因した地球温暖化が大きな問題になっています。
 ネットワーク「地球村」代表の高木善之氏によると、二酸化炭素は、温室のガラスやビニールのように「光りは通すが、熱をためる」働きがあり、二酸化炭素濃度の上昇によって地球温暖化進行し、今後100年で3〜4度の気温上昇が予測されるとのことです。
 南極の氷は、岩床の上に乗っており、その大部分が海面より上にありますので、これが解けますと海面は上昇します。南極の氷が全部解けたとしますと、海面は70メートル上昇します。こうなれば一体日本はどうなるでしょうか。考えただけでも恐ろしくなります。

 1994年9月13日、環境庁が発表した『地球温暖化に関する影響予測』の内容は、つぎの通りです。
* 今後100年間に平均気温3度C上昇
* 現品種のコメ栽培、西日本では困難に
* ブナ林の40%が枯れる
* 海面が65cm上昇、砂浜の8割消滅

 このように地球温暖化が進む中で、わが国は一昨年6月、地球温暖化に向けた温室ガスの削減目標が示された「京都議定書」に署名致しました。その結果、日本は1990年比で6%の削減義務が課せられて、その内の3.9%分を森林に求められることになりました。


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