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◇アメリカのダムの整備水準は日本に比べ格段に高い

《貯水容量》
 米国ダム目録によれば、堤高6ft(約1.8m)以上のダムは約77,400箇所あり、貯水容量は全体で6,000億m3を超える。施設数の目的別割合は、レクリエーション31%、消防・養殖17%、治水15%、灌漑14%、水道用水等10%、発電3%などとなっている。

 日本には現在、2,700余りのダム(原則として堤高15m以上のもの)があるが、その総貯水容量は200億m3を超える程度で、フーバーダム1基にも満たない。

 

 水道用水を目的に含むダムの総貯水量を国民1人当たりの貯水量で比較すると、アメリカは536m3/人で、日本の32m3/人の17倍となっている。米国以外の国についていえば、カナダは647m3/人、韓国は500m3/人、台湾は68m3/人、イギリスは45m3/人という水準である。

 日本の急峻な地形、特定の時期に洪水が集中するという自然条件から河川の流量の変動がアメリカ等に比べ極めて大きく、ダム等の施設によって水を貯留することが安定した水利用のためには欠かせないという日本のおかれている条件を踏まえれば、貯水量の絶対値が極めて少ないことが分かる。
《水系を比較すると》 
 例えばアメリカ・カリフォルニア州にはサクラメント川とサンホアキン川という2つの代表的な河川がある。この2つの河川はサンフランシスコ湾に流入する直前に合流するが、この河川からの年間の総流出量は約450億m3である。
 この2つの河川には、貯水容量にして約230億m3のダム群が建設されている。つまり河川の総流出量の約50%に相当する貯水池容量のダムが設置されていることになる。

 一方、日本の筑後川について見ると、合計して約1.74億m3の容量のダムが設置されている。これは、筑後川の総流出量36億m3に対して4.8%であり、カリフォルニアの実態と大きな開きがある。

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