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《道路事情に悩まされるも、大自然の中を走る〜25日》

 7月25日、朝6時頃にホテルを出発。今日の行程は結構ハードで、多分全部回るのは不可能だろうと思っていました。しかしその予想は違った意味で現れました。「通行止め」です。最初の目的地である新冠川上流のダム群、岩清水、下新冠、新冠(奥新冠は新冠ダム湖のバリケードから徒歩で片道16Kmほどあるので、最初から予定には入れていなかったが)は、平成15年の台風10号の影響で道路が寸断されており、辿り着くことはできませんでした。同様に静内川ダム上流の高見ダム、東の沢ダムも通行止めでした。

 それともう一点は道がダートであることでした。オン・ロードマシンであるCB1300ではダート走行は危険なので、どのみち辿りつけなかったんじゃないかと思います。春別ダムや三石ダムもダートが続くようなので、断念しました。もっと道路状況を把握して行くべきだったと反省しています。



いまだに台風の爪痕が残る新冠川上流への道


静内川ダムから高見ダムへ続く道路、通行止めでなくてもダートじゃツライです

 気を取りなおして、今度は浦河ダムへ向かいます。日高山脈の西側に広がる丘陵地帯にはサラブレッドの牧場がいたる所に点在しています。海岸沿いでは、日高昆布の天日干しに精を出す人々の姿が見受けられました。牧場地帯のずーっと奥に浦河ダムがあります。ダムの天端から牧場が見えるというのはごく自然のことでした。



日高付近の牧場にて


日高付近の牧場にて


昆布干し


天端から牧場が見える浦河ダム

 続いて様似ダムへ向かいます。このダムは魚道の造りが面白く、魚道の中を泳いでいる魚を見ることができます。



V字型に魚道が続く様似ダム


魚道の途中がアクリル板になっていて、中を泳ぐ魚が見えます

 続いて幌満川第三ダムへ向かいます。広いアスファルト道路がしばらく続いた後、道は突然ダートに変わります。本来ならここで断念するはずでしたが、今日はあまりダムをまわっていないので、無理をしてもダムを目指すことにしました。このダムは日東電工鰍ニいう一企業の所有する発電専用ダムで、本州では雨畑ダム、柿元ダム(共に日本軽金属鰍フ所有)がこれにあたります。かなり古い感じを想像していましたが、ダム天端の手摺が黄色く塗られており、意外に真新しく感じました。



手摺が黄色に塗られている幌満川第三ダム

 幌満川第三ダムを見た後、なんとか無事にダートを走り抜け、海岸沿いの国道へ出ました。ここから襟裳岬を見学しに行こうかとも思ったのですが、今までの距離感から想像して後の行程に無理が生ずるであろうと判断、日高山脈を越えて、「ピョウタンの滝」とその上流にある札内川ダムへバイクを走らせました。

 ピョウタンの滝は、元々は農協ダムと言われていた小さな発電用のダムでした。ところがダム完成の翌年、前年の台風やその年の大雨の影響で山が崩れ、大量の土砂がダム湖や発電施設を埋め尽くして機能を果たさなくなったために放置されました。ただ、ダム前面にある大きな岩が美しい水の流れを生み出し、今は「ピョウタンの滝」として観光名所になっています。これらの水害や土砂災害の教訓から上流に多目的ダム建設の必要性が生じ、札内川ダムが建設されたようです。

 札内川ダム見学後はまっすぐに帯広に向かいました。途中に「幸福駅」という観光名所があったのですが、今日は初ダートの走行で疲れたためにホテルでゆっくり休むことにしました。



ピョウタンの滝、手前の大きな岩は建設当時からあったもので、土砂災害で上流から流れてきたものではない


水害の教訓を活かして建設された札内川ダム

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