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《海岸減少の話》


 さて、次は海岸減少の話について。朝日新聞の記事にはダムだけが原因のような書き方がされていますが、私がいままで250基余りのダムを見学して掴んだ話ではダムがあるから!だけで済むような単純な話ではなさそうです。ダムが無問題というわけではないけれど、建設資材として交通の便がいい下流で川砂採取が行われていたり、港湾整備や河道変更など原因は複雑にからんでいるようですよ。

 海岸減少が起きていると言われている奈良県〜和歌山県・十津川(熊野川)で現地取材をしてきました。ここでは海岸減少は二津野ダムの所為だという話が出ており、県議会でダム撤去という過激な話まで出ていますが・・・




二津野ダム(電源開発株式会社)
年間発電量1億8千万KWH=石油削減効果3万7千トン/年、CO2削減効果は11万5千トン/年

 しかしダム下流の区間で次の写真のように川砂採取と思われる光景が見られます。




ダム下流12キロメートル
かなり川幅が広い所です。




河口から38キロ〜39キロの1キロ程度の区間
上流から下流向きに撮影。写真中央付近から下流側1キロ程度の区域で川砂採取現場らしき光景がある。

 この熊野川ではダムこそが海岸減少の原因という話になってます。しかしこのような光景を見ると、ダムだけが原因とは思えないのですが??

 なお二津野ダム調整池では堆砂浚渫を行っているそうです。しかし、堆砂の品質はコンクリート骨材として使える良好なものだというのにも関わらず引き取り手が無く埋め立て処分にしているとのこと。しかしダム下流で骨材用に川砂採取されている・・・ダムを悪者にするだけで済む問題でしょうか??

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