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■材料山の位置を変更して自然環境を保全

 胆沢ダムは、大規模なロックフィルダムであるため、堤体材料となるロック、フィルタ、コアなどの材料が大量に必要になる。
 そのためのロック材料採取地を、当初計画では、既設の石淵ダムを建設する際にロック材を採取した猿岩(さるいわ)を選定していた。

猿岩、岩の形が猿の顔に見えるという

厳冬の猿岩
 しかし、猿岩は、

・壁面が猿の顔に似ており、国定公園第二種特別地域に指定されている
・於呂閇志胆沢川神社のご神体として古くから地元住民の信仰の対象になっている
・山腹に自生するユキツバキが分布の東限ということで「猿岩ユキツバキ群落」として県指定天然記念物に指定されている

などの、事情があった。また、その後の自然環境の調査で周辺に猛禽類の生息が確認された。

ユキツバキ

ユキツバキ
 検討の結果、自然環境を保全する観点から、材料採取地を変更し、ロック材は石淵湖北側の大森地区から採取し、コア・フィルタ材はダム下流の段丘堆積物を採取することになった。



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