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2.吉野川のすがた

 吉野川は、その源を高知県土佐郡瓶ケ森(標高1897m)に発し、四国山地に沿って東へ流れ、大豊町敷岩で宍内川と合流した後、北に向きを変えて四国山地を横断し、銅山川・祖谷川などを合わせ、徳島県池田町に至る。再び東に向きを変え岩津から徳島平野に入り、大小の支川を合わせながら第十堰地点に達し、旧吉野川を分派して紀伊水道に注ぐ。流域面積3750km2は四国全地域の20%を占めている。幹川流路延長 194km、流域人口64万人である。

吉野川の河状は池田より上流において流域はほとんど山地に覆われ、本川上流及び支川は非常に急流で1/15〜1/100 の河床勾配で、この急勾配が発電水力ダムの適地でもある。流域の大半は東西に走る二本の構造線(中央構造線、御荷鉾構造線)に挟まれた結晶片岩地帯で岩質はもろく風化が進み地滑りや崩壊が多く、洪水毎に大量の土砂を流出する。上流域は年間降雨量2500mm〜3000mmの多雨地帯である。夏期の洪水時の流量は10,000m3/S(池田地点)を越えることも稀ではない。
 明治40年吉野川は第一期改修工事が開始され、岩津から河口までの40km区間について、善入寺島を河道に編入し、堤防を築き、さらに第十樋門を改善して、第十堰下流において別宮川を本流とする工事が昭和2年に竣工した。これによって吉野川の河道はほぼ現在の姿になった。なお、今日の吉野川計画高水流量は岩津地点で計画高水のピ−ク流量24000m3/S、計画高水流量 18000m3/Sに昭和57年に改定されている。


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