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2.高知県のすがた

高知県の地勢、人口、気候

 高知県は四国の南部に位置し、北は四国山地により徳島・愛媛県の両県に接し、南は土佐灘(太平洋)に面して細長い扇状の形をしている。高知県の面積は7105km2、人口79.6万人、人口密度114.6 人/km2である。面積は四国全域の約37.8%を占め、林地面積割合は、標高1000m以上の山が 100を越えており、県面積の約84%を占め日本一である。

 就業者の割合をみると、第1次産業12.8%、第2次産業22.3%、第3次産業64.3%となっている。

 また、海岸は約 713.2kmに及び、黒潮を洗う長い海岸線と冷たい北風を遮る四国山地のおかげで、気候は温暖で室戸岬や足摺岬では亜熱帯植物も自生している。南からの湿度の高い空気や高い山々に遮られて高知県に多量の雨を降らせる。最近10年間の年降水量は2703mm(全国平均1585mm)であるが、平成16年は降水量は3397mmで全国一位であった。

高知県の地域区分

 高知県は地形上から東部、中央部、西部、南西部の4つの地域に分けられる。

1)東部地域

 安芸市から県の東端甲浦までの安芸、室戸の2市と安芸郡を含む地域で、土佐湾岸には海岸段丘が発達している。安芸川と伊尾木川の下流に安芸平野を形成し、高知平野と並ぶ米作地帯であり、野菜の産地である。

 一方、安芸市や安芸郡の北部、徳島県境にかけての山地は豊かな国有林で、杉の美林が拡がる。奈半利川上流馬路村では総面積の96%が山林であり、土佐湾側に奈半利、田野、安田などの林業の町が発達している。また安芸市は古くから安芸瓦の産地でもあり、室戸岬の近くの室津、津呂の漁港は遠洋漁業で知られている。

2)中央地域

 中央部は物部川と仁淀川に挟まれた地域で、高知平野が拡がり、北部には吉野川を西東へ流れる。高知平野は高知市を中心とする産業地帯であり、東に隣接する南国市(物部川右岸)、野市町(物部川左岸)では、稲作と野菜栽培が盛んである。また、平野の北東部土佐山田町は、オノ、ナタ、包丁などの土佐打刃物でよく知られている。高知市は県人口の3分の1を占め、また、近年、南国市、土佐山田町などから通勤する人が多くなっている。

3)西部地域

 西部地域は、仁淀川の西寄り、高岡郡を中心に須崎市から南、JR予土線の沿線を含む。須崎市は沈降海岸に面し、商港・貿易港であって、木材、セメント、造船などの工業が盛んである。四万十川上流一帯は、標高 200m前後の台地が拡がり、稲作と畜産が盛んであり、愛媛県との県境には国有林が拡がり、林業関係の従事者が多い。

4)南西部地域

 南西部地域は、四万十川(渡川)から南で、四万十市、宿毛市、土佐清水市の3市を中心とする地域である。南端には足摺岬が突き出し、鵜来島、沖ノ島がある。

 四万十川下流、その支流中筋川・後川の流域は中村平野が拡がり、稲作のほか、サツマイモ、イグサなどがつくられている。この平野の中心地四万十市は「土佐の小京都」と呼ばれ観光基地となっている。

 宇和海に面する宿毛市は、松田川の下流に平野があり、農業が盛んであり、また、宿毛湾では真珠、カキ、ハマチの養殖が行われている。南端の土佐清水市は沖合、遠洋漁業の基地である。

 なお、高知県のシンボルは、花はヤマモモ、鳥はヤイロチョウ、木はヤナセスギ、魚はカツオと制定された。

 以上、高知県のすがたについては高知県統計協会編・発行『高知県のすがた2006』、同編発行『平成17年度版 県勢の主要指標』、旺文社編・発行『日本の地理3中国四国地方(高知県)』(平成2年)に拠った。


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