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3.高知県の河川

 高知県の河川は、標高1000m級の峯が連なる四国山脈から山腹斜面を一気に流れ下り太平洋に注ぐ、急勾配の比較的小規模な河川が多く、一級河川の吉野川・四万十川・仁淀川・物部川を除けば流域面積流路延長とも奈半利川が最大である。

 県都・高知市が位置する高知平野は、近世まで河中(または河内)と呼ばれ、その名の示すとおり鏡川、国分川等の氾濫源に土砂が堆積して形成された複合三角州が発達したもので、地盤標高が極めて低く1m未満のいわゆるゼロメートル地帯が10km2もあり、流れている河川は勾配も緩やかで防災上不利な地形を形成している。

 一方、西日本外帯に属する本県の地質構造は、東西方向に走り、これを横切るように流れる四万十川・仁淀川など大河川の下流部に形成された地溝部には、河川によって運ばれ砂礫やシルトが堆積し、沖積層や洪積層を構成している。このため大河川に流入する多くの支川では、合流点より上流側の一部区間の地盤が、合流点の地盤高より低く、中くぼみ型の地形を呈する内水河川である。これらの代表河川としては、仁淀川の波介川・宇治川・四万十川支川の中筋川があり、台風の常習地であるため治水安全度の確保が急務となっている。

 この治水安全度のために、次の方策が実施されている。

1)低地対策として、昭和45年台風10号の異常潮位により未曾有の被害を被った浦戸湾・浦ノ戸湾の流入河川の低地部では、高潮対策事業の早期完成に努めている。

2)内水対策として、河川沿い適地への防災調整池や放水路などの設置を行う。

3)新興住宅池対策として、通常の河川改修事業と併せ住宅宅地基盤特定治水施設等整備事業の導入により早期と治水対策を行う。

4)ダム事業として、和倉ダム(芸西村)、春遠ダム(大月町)の建設を進めている。

 以上、高知県の河川について、高知県土木部河川防災課編・発行『平成18年度 河川事業の概要』を引用した。


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