4.千葉県の水害
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千葉県の水害状況について、前述の「千葉県の河川」により、昭和46年9月、昭和61年8月、そして平成8年9月の台風災害から、次のように引用してみた。
1)昭和46年9月6日〜7日(秋雨前線および台風25号)
台風接近以前から本州沿いに前線があって、雨が降りやすい状態になりました。台風接近にともなって次第に雨が強くなり、夜半、台風の通過する頃その極に達し、県下各地で大雨となりました。降雨は県下全域にわたりましたが、特に県東部および南東部海沿い地方で激しくなり、総雨量は勝浦の557oを最高に、大多喜490o、一宮414o、上総中野383o、清澄375o、銚子371oと各地で300oを越え、前年の大水害時の降雨記録を上回るものとなりました。時間最大雨量は勝浦で122oという記録を残し、その他各地も40〜60oという強い雨を記録しました。この豪雨で、県内東岸の新川、栗山川、夷隅川などや、利根川へ注ぐ根木名川、黒部川、大須賀川、小野川などの河川の出水は、前年と同程度あるいは既往最大となり、浸水家屋は床上・床下を合わせて22000戸以上、被害を受けた耕地35000ha以上(一部、収穫を終えた地域を含む)、鉄道、道路、河川、通信施設、その他で、被害総額は260億円を越えるものとなりました。
また、この大雨では、台風による突風(銚子で最大瞬間風速49m/s)をともなったため、多古町、八日市場市、芝山町、小見川町をはじめ各所でがけ崩れが発生し、しかも深夜であったため、生き埋めなどの死者56人、負傷者98人という大惨事となりました。
2)昭和61年8月4〜5日(台風10号)
台風10号は、8月4日21時、石廊崎の南約120qの海上で温帯低気圧に変わり、その後、5日未明にかけて房総半島を縦断しました。
県内では、4日から5日の早朝にかけて、各地で台風にともなう集中豪雨が観測され、総雨量173o(山武町)〜294o(富津市)、時間最大雨量18o(銚子市)〜50o(木更津市)を記録しました。降雨の特徴は、外房において少なく、葛南地方および柏から佐原にかけての布佐地区などで多く、これらの地域の降雨観測所における既往最大記録を更新することとなりました。
この豪雨により、千葉、船橋、市川などで浸水や土砂崩れなどの被害が相次ぎました。特に、真間川流域では床上965戸・床下1943戸、海老川流域では床上395戸・床下2031戸、都川水系葭川流域では床上・床下合わせて約370戸の浸水被害をそれぞれ記録したほか、九十九里平野の栗山川水系では農地250haが冠水しました。
なお、この台風による被害によって、大柏川、国分川、海老川で河川激甚災害対策特別緊急事業が導入されました。
3)平成8年9月21〜22日(台風17号)
大型で強い台風17号は、強い勢力を保ったまま南海上を北東に進み、22日6時には八丈島に達し、その後、房総半島の東海上を通過して、県下全域で大荒れの状態となりました。総雨量は、天津小湊町清澄と富山町荒川で372oを記録したのをはじめ、県南部では300oを越え、県内全域でも200oを越えました。また、時間最大雨量は、旭市で64o、勝浦市で60oなどを記録しました。
この台風により各所でがけ崩れが発生し、人的被害は死者6名、負傷者20名におよびました。また、一宮川、黒部川、作田川、南白亀川などで溢水その他が生じ、県下で床上浸水1972戸、床下浸水5108戸となり、公共土木施設の受けた被害も大きく、その額は約253億円となりました。
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