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■ダムの計画

 アーチダムは、水圧を両岸の岩盤で支える構造で、ダム自体の重量を必要とせず、ダム堤体を薄い構造とすることができる。特に、黒部ダムは、平面的にアーチ型になっているだけでなく、垂直断面が上部になるほど下流側に傾斜し、オーバーハングする形の、ドーム型アーチになっている。このため、体積は非常に少なくてすみ、重力式ダムと比較すると体積は6割強ですむことになる。その分コンクリートの使用量を減らすことができ、経済的であったが、一方では、設計に当たって高度の技術的検討が必要であった。
 
ドーム型アーチダム

平面図

断面図
ウイングダム
 ダム上部の両岸の基礎岩盤は地形的に厚さが十分ではない。最初の案では、アーチを上端まで両岸の岩盤に達するように取り付ける構造であったが、これだと、上部の岩盤の強度が不足すると判断された。このため、アーチの上端両肩を切り落とし、アーチダムの両端上部にアーチと直角に上流側に折れた形の重力式ウイングダムが設置された。


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