◇ 2. 荒川の特徴
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荒川の特徴について、前書「荒ぶる川の恵み」より、3つ挙げてみる。
@ 流路延長と流域面積 荒川の流路延長は甲武信ヶ岳直下の荒川起点から、東京湾の河口まで173qであるが、そのうち山地区間約41q(23.6%)、盆地区間約24q(13.9%)、残り100q(62.5%)が平野を流れている。全流路に対する平野区間の割合は日本の主要河川のなかで最も長い。 流域面積は2 940km2で、山地面積1 475km2(50.2%)、丘陵台地氾濫原の平地面積1 465km2(49.8%)であり、日本の大河川の平均比率は、山地7に対して平地3であるが、荒川の場合はほぼ半分ずつである。一方埼玉県と東京都の流域面積の比率は埼玉県2 494km2(85%)、東京都446km2(15%)であり、荒川はまさに埼玉県の母なる川である。
A 急勾配と緩勾配 荒川の河口から水源までの河川勾配を平均すると68分の1で、山地部分ではさらに急な30分の1である。それに対し平野部分では1 400分の1である。このことから甲武信ヶ岳から山地部分をいっきに流れ下る荒川は、かつて平野部に出て氾濫を繰り返し埼玉の大地をつくってきた。
B 日本一の川幅 荒川の中流域の川幅は日本一広い。一般的に河川は河口に向かって徐々に川幅を拡げていくが、とくに荒川の中流域は川幅がひろくなっている。河口から62q地点(吉見町)での川幅は、2.5qに及び、河口付近の川幅0.75qの3倍以上もある。この広い河川敷は江戸時代すでに河口一帯に広がった都市を氾濫から守るための遊水機能をもっていた。
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