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◇ 7. 秩父の3ダム

 秩父地方は札所34ケ所めぐりの巡礼者の鳴らす鈴音から春が訪れるという。秩父地方は埼玉県の西部に位置し、標高1 000m〜2 500mの険しい山々が連なる。そのほぼ中央に四角形をした秩父盆地と山あいの平地斜面が人々の生活の舞台で古くから林業や秩父銘仙で栄え、近代では武甲山の石灰岩の採掘によるセメント産業が興った。今では都心から秩父までの距離は70qあまり、東京と直結しているため観光と開発が進んだ。

 この秩父地域に昭和36年に二瀬ダムが完成しているが、最近3つの多目的ダムが建設された。それは秩父市、荒川村に浦山ダム、小鹿野町、吉田町に合角ダム、大滝村に滝沢ダムである。


 埼玉県荒川水系ダム総合事務所編・発行「秩父三ダム建設小史」(平成8年)によれば、3ダム合わせて水没移転者は237世帯となり、この書では、その移転者に関わる生活再建対策について詳細に述べてある。埼玉県水源地域対策基金条例を主として、ダム建設に伴う水没者等に対する代替地取得等資金の貸付けに係る利子補給金交付要綱、ダム建設に伴う水源地域住民生活再建対策要綱、ダム建設に伴う個人代替地の取得に係る事務取扱要綱を制定し、3ダムの補償関係の調整を図った。


「秩父三ダム建設小史」

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