全項目表
 
ダム番号:2904
 
漢那ダム [沖縄県](かんな)



ダム写真

(撮影:安河内孝)
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081850 安河内孝
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114588 KIYOTAKA
120066 ふかちゃん
081862 安河内孝
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どんなダム
 
ダム下流面は石積み模様
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域振興の期待に応えるべく景観設計を導入。下流面の沖縄様式の石積み模様は、城壁をイメージした景観。発泡スチロール製の化粧型枠により実現。沖縄特有の琉球石灰岩の岩肌を模す。管理設備の建物には、赤瓦の屋根にシーサーを乗せる。
自然観察・レクリエーションの場
___ 水生動物を観察できる第二貯水池(ふれあい公園)、魚やエビが海と川を行き交えるような魚道、昆虫の住み家になるシェルター、マングローブ林などが周囲の自然を生かした施設が整備され、貴重な自然観察やレクリエーションの場に。
ビオトープ創出の先駆け
___ 漢那ダムの第二貯水池(めだかの学校)は、環境整備のため造成した人工の湿地帯。元々小湿地帯だったが、単にそのまま残すのではなく、堰を設けて水位を上昇させて水域の拡大を図り、湿地性を好む生物たちに多様な生息環境を創造。水生生物や鳥類の格好の生息場所となっており、特にトンボは沖縄にいる46種類のうち32種類を確認。我が国のダム事業におけるビオトープ創出の先駆けとも。
カニやエビが通れる魚道
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河口から近いため、カニやエビ、ハゼなどの河川と海を回遊する生物の移動に影響が及ぶ。これら生物が海と川を行き来できるようにする魚道を整備。ハイダムでの魚道整備は国内では初めてというが。魚道の底には常に適度な水が流れる。途中には上り降りのための小さな石や、休憩できるような小さなプールも。
[写真]階段の左側、地山との間に折れ曲がった形で細い魚道が設置されている
マングローブ林の復元
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ダム建設前は、現在のダム堤体付近までマングローブ林が分布。これを復元。ダム下流にメヒルギなど6200本を植栽。復元されたマングローブ林では、潮が引くとカニ類やハゼ類が歩き回り、潮が満ちてくると海から小魚などがやってくる。
[写真](撮影:安河内孝)
脇ダムがある
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重力式コンクリートの本ダムとロックフィル型の脇ダムによって構成されている。本ダムは、堤高45m、堤頂長185m。脇ダムは堤高37m、堤頂長500m。
[写真]左下が本ダム、右側の高速道路との間にあるのが脇ダム
高速道路から見えるダム
___ 沖縄自動車道で那覇から30分ほど行くと、左側に一瞬山並みが途絶えて、堤体が見える。高速道路から見えるダムであり、景観設計に当たっても考慮されている。
シリーズ ダム百選 投票から
第 35 回  『 珍しい植物が見られるダム 』
■ マングローブが見られるダム。マングローブを横目に見ながら提体へ近づいていくと、川を挟んで両岸の建物の上にはシーサーがおり、沖縄感が味わえるダム。 (TAKUYA)
テーマページ 風土を活かした景観設計(漢那ダム)
平成7年度〜平成12年度 「森と湖のある風景画コンクール」 受賞作品
このごろ ダムカードとは違うダムのカード、知っていますか?
左岸所在 沖縄県国頭郡宜野座村字漢那地先  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯26度28分55秒,東経127度56分58秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  漢那脇(0km)  金武(再)(3km)  鍋川(4km)  宜野座大川(4km)  潟原(5km)  久志大川(6km)  安富祖(6km)  クガチャ(7km)  辺野古(9km)  当袋川(9km)

河川 漢那福地川水系漢那福地川
目的/型式 FNAW/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 45m/185m/72千m3
流域面積/湛水面積 7.6km2 ( 全て直接流域 ) /55ha
総貯水容量/有効貯水容量 8200千m3/7800千m3
ダム事業者 沖縄総合事務局開発建設部
本体施工者 大林組・鴻池組・仲程土建
着手/竣工 1978/1993
ダム湖名 かんな湖 (かんなこ)
ランダム情報 【ダム湖百選】(財)ダム水源池環境整備センターのダム湖百選に選定される(H17.3.16公表)
【ダムにいる鳥】国土交通省「河川水辺の国勢調査」(2000、2003)
カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、ササゴイ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、アヒル、キンクロハジロ、スズガモ、ミコアイサ、ミサゴ、ツミ、サシバ、チョウゲンボウ、バン、イソシギ、ヤマシギ、ドバト、キジバト、ホトトギス、オオコノハズク、アオバズク、アカショウビン、カワセミ、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、アカハラ、シロハラ、ウグイス、セッカ、サレコウチョウ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、アトリ、ハシブトガラス、ムラサキサギ、シロハラクイナ、カラスバト、ズアカアオバト、リュウキュウコノハズク、リュウキュウツバメ、リュウキュウサンショウクイ、シロガシラ、アマミヤマガラ、リュウキュウツミ、リュウキュウヨシゴイ
【ダムカード配布情報】2021.8.1現在 (国交省資料を基本とし作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver1.1
○漢那ダム管理支所 8:30〜17:15(土・日・祝日含む)
ダムカード画像コレクション
漢那ダム Ver.1.0 (2007.07)
漢那ダム Ver.1.1 (2016.03)
漢那ダム [沖縄北部ダムツーリズム]
内部リンク ダムギャラリー・第3展示室
リンク DAM-goodfellows・漢那ダム
ダムマニア・漢那ダム
今日もご安全に!!・沖縄県のダム:漢那ダム
雀の社会科見学帖・漢那ダム 見学 その1
日本の川と災害・漢那ダム
北部ダム統合管理事務所(内閣府沖縄総合事務局北部ダム統合管理事務所)
参考資料
■漢那ダムのイメージアップについて:棚橋通雄
【ダム日本 No.575(H4.9)】
■漢那ダムの景観設計等について 沖縄総合事務局北部ダム事務所 所長 棚 橋 通 雄
【第33回ダム施工技術講習会(H05.07.14)】
■漢那ダムの景観設計等について /棚橋通雄
【ダム日本 No.589(H5.11)】
諸元等データの変遷 【06最終→07当初】左岸所在地[国頭郡宜野座村字漢那→国頭郡宜野座村字漢那地先] 水系名[漢那川→漢那福地川] 本体施工者[大林・鴻池・仲程→大林・鴻池・仲程JV]
【08最終→09当初】本体施工者[大林・鴻池・仲程JV→大林・鴻池・仲程]
【12最終→13当初】本体施工者[大林・鴻池・仲程→大林組・鴻池組・仲程土建]

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風土を活かした景観設計(漢那ダム)

漢那ダムは沖縄県国頭郡宜野座村に建設された堤高45m、堤頂長188mの重力式コンクリートダムであり、その景観設計に当たっては、周辺自然環境との調和、歴史的・地域的文化との調和などに配慮して、ダム堤体、周辺施設などが風土を活かしたデザインとなっている。
下流面全景。天端歩道のバルコニーやエレベータ棟に曲線を取り入れる。緑の中にたたずむ巨大な「グスク」構造物をイメージできるように配慮したという。

石積み模様のダム堤体。天端歩道のバルコニーやエレベータ棟に曲線を多用し、柔らかさを強調。
エレベータ棟。ダム表面部には、沖縄の歴史的石造技術をモチーフとして、石積み模様を施す。発泡スチロール製の化粧型枠を特別に作成した。

バルブ室の屋根には琉球赤瓦やシーサーを施し郷土色を演出。
天端歩道には楕円形の展望用バルコニーが配されている。意図した以上にバルコニーが目立ったという。

下流河道にはマングローブを植栽。ヤエヤマヒルギ、オヒルギ、メヒルギが。カニやハゼ、小魚やエビたちのすみかになっているという。
(2003.5作成)


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