参考掲載ダム・堰 全項目表
 
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上麻生堰堤
(かみあそうえんてい)

ダム写真

(撮影:ダム初心者)
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 上麻生発電所の取水堰堤。小規模だがゲートピアは石張りで、モダンなデザインのゲート室。大正期の雰囲気が最も残るダムとも。ゲートは国内で現存最古のローリングゲート。
テーマページ Let's visit a historical dam  file.02  上麻生堰堤 「大正時代のモダーンな堰堤」
所在地 岐阜県加茂郡白川町 [地図]
諸元等 河川:木曾川水系飛騨川
目的:P
型式:重力式コンクリート
堤高:13.18m
堤頂長:74.54m
完成:1926年
リンク 雀の社会科見学帳・上麻生堰堤 見学 その1
上麻生堰堤(社団法人日本土木工業協会)
THE SIDE WAY・上麻生堰堤
協力者 ダム初心者

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Let's visit a historical dam 
file.02 
上麻生堰堤 「大正時代のモダーンな堰堤」

by  『サラリーマンの休日「ちょっと行ってくる」』 zinzin

所在地: 岐阜県加茂郡白川町
竣工年: 1926年
目的: 発電用(利水)


美濃加茂市から国道41号で飛騨川に沿って北上すると、比較的短い移動で、色々なダムがあります。
その中でも、上麻生堰堤は異色な存在です。

 



1926年(大正15年)に完成。大井ダムより2年後、丸山ダムより29年前となりますから、この辺りではかなり古い堰堤となります。

上麻生堰堤は堤高13.18m、堤頂長 74.54m。
15mには若干届かないのでダム扱いではありませんので、堰堤となりますが、見た目は立派なダムです。





天端は立ち入り禁止なので渡ることはできません、残念。

堤頂長74.54m、幅は大体4mぐらいでしょうか?電車の鉄橋みたいに見えますね。





ここには日本最古のローリングゲートがあります。

上麻生堰堤洪水調節の機能がありません、あくまで利水。
治水のダムとは違い、たくさんの水を溜める強度を持ち合わせていません。

大雨が降ったり、いつもより多くの水が流れ込んでくると、その分を下流へ流します。
流さないと、堰堤が壊れてしまうからです。
このように昔のダム(堰堤)は各目的の為だけに作られていました。





ダム上流側はこんな雰囲気です。先ほどの天端は橋みたい見えます。

電車が走りそうな天端ですが、この写真の奥にはJR西日本の高山本線が走っています。
電車からの上麻生ダムはどのように見えるのでしょうかね?





ダム湖を見回る為の監視艇。
”安全第一”とある、クレーンで下ろして使うようです。

ボートの名前は”上麻生丸”分かりやすい。





堰堤をよく見ると、シンメトリー(左右対称)な造りでは無いことが分かります。
橋脚部は右岸側が角ばっていて、左岸側は丸くなっています。
操作室の屋根の形も違います。
デザイン優先に思っていましたが、そうではなさそうです。

無論、当時のままではなく、橋脚の基礎や石張部分はコンクリートで補強されているとの事。
よく見ると、確かにちょっと違いますし、一部修復部分が剥がれているところもありますね。





左岸側には流木を流す為の設備がありますが、水門部分は板を外さないといけない仕組み。その板に草が生えています。

現在ではダムに引っかかった流木(ゴミも)下流には流してはいけないことになっています。
ちなみに、水路に乗っかっている流木は昨年からありました。
勢い余って落ちてきて、年を越したようです(^_^;)





飛水峡の地形をうまく利用して、魚道が設置されています。

現地に合わせた施工というのが、昔のやり方なのでしょうか?
個人的に、こういった造りは好感が持てます。





ここで取水された水は、しばし水路で少し下流の写真のところまできて、ここから導水管で地中に潜ります。
水はこの下流にある上麻生発電所に直接行くわけではなく、細尾谷ダムで溜められて(調整池)、発電所にたどり着きます。

また、この上麻生堰堤で溜められた水は発電の為だけに利用されているわけではなく、
かんがい、工業用として利用する為に取水している”白川取水口”がダム湖側にあります。

管理は水資源機構、中部電力ではありません。
ひとつのダムで用途が異なるとか、管理が別というのは結構あるようです。
近くでは、兼山ダムも発電と利水を行っています。





80年以上、補修は行われていますが、殆ど当時のままの状態で使われている上麻生堰堤
石積みの提体、モダンな風貌。飛水峡と同化した造り。
国道41号線を北上すると、今渡ダムから始まり、色々な大きさ、形式のダムを見ることができます。
その中でも、この上麻生堰堤は異色な存在です。
ダムめぐりをする際には、ぜひ見学候補に入れ、見学されることをお勧め致します

(2009年9月作成)


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