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《富郷ダム》

 柳瀬ダムの上流に位置する富郷ダム(法皇湖)は、平成12年に完成した。この建設記録として富郷ダム管理所編・発行『富郷ダム工事誌』(平成15年)がある。
 この書に「富郷ダム事業の必要性は宇摩地方が柳瀬ダム、新宮ダムの水に依存しているものの、なおかつ経済発展に伴って都市用水の不足が深刻となってきたため、この水事情に対処することで建設された。」とある。




 施工面ではRCD工法拡張レヤ工法合理化施工法の導入、フライアッシュの現場配合、両端移動式ケ−ブルクレ−ン、本体コンクリ−ト自動運搬システムの採用等工期の短縮、コストの縮減がなされた。新宮ダムと同様に地滑り地帯であることから松野地区、宮城地区、城師地区の地滑り対策工が行われた。
 また富郷ダムは昭和62年「水源地域対策特別措置法」に基づくダムに指定され、周辺整備事業が行われ、「憩いの広場」は地域交流の拠点となっている。
 富郷ダムの完成によって、宇摩地方の水の供給はよりよい安定を保つことができるようになった。昭和28年柳瀬ダムの完成後23年で新宮ダムが完成し、さらにその24年後に富郷ダムが完成した。この銅山川沿いに分水の歴史をたどりつつ、三ダムを歩くと戦後から今日までのダム施工の技術や周辺整備事業に係る地域開発の変遷がよく理解でき、時代の流れを感じる。


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