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1.天竜川のすがた

天竜川の流れ

 天竜川は、諏訪湖より発し岡谷市伊那盆地北端に入り、南流して辰野市で横川川、箕輪町で沢川、伊那市で三峰川、駒ヶ根市で太田切川、中田切川、新宮川、松川町で小渋川、飯田市で松川、久米川、阿知川を合流し、天竜峡を過ぎて泰阜ダムに入り、天龍村で万古川、遠山川、和知野川、早木戸川などを合わせ平岡ダムに注ぎ、さらに流下して佐久間ダムに入る。佐久間町で水窪川を合わせて、流れを変え、竜山で秋葉ダムに流下、気田川、俣川を合わせ、船明ダムに入り、浜北、豊岡を流れ、浜松市、磐田市、豊田町、竜洋町の堺を流れて遠州灘に注ぐ、河川数 332、幹線流路延長 213km、流域面積5090km2、一級河川(昭和40年指定)である。

 天竜川流域は長野県、愛知県、静岡県にまたがり、諏訪盆地、伊那谷、遠州平野一帯の社会、経済、文化の基盤をなしており、その利水に果たす意義は極めて大きい。

 平成13年天竜川の流况(観測地点鹿島)をみてみると、最大流量 3462.45m3/s、平水流量135.13m3/s、最小流量 51.75m3/s、平均流量175.70m3/s、年総流量55.4億m3となっている。(『河川便覧』 (国土開発調査会・平成16年) )
 なお、飯田地点における年降水量は、1286.5mm(平成14年)、2164.5mm(15年)、1934.5mm(16年)と変化し、最近10年間の年平均降水量は1625.8mmである。

天竜川の治水

 治水事業の沿革は下流部において明治17年改修に着手し、従来の囲堤を連続堤として、同32年に竣工。その後の大洪水により改めて大正12年に第2次改修計画を決定された。

 上流部においては、昭和7年から諏訪湖に流入する河川の改修、湖岸の整備が行われ、同11年釜口水門が設置され、その後の大洪水により同22年から天竜川、三峰川合流点に改修を着手。その後の出水に対処して、昭和32年三峰川上流に美和ダムが建設されたが、34年伊勢湾台風、36年には梅雨前線による集中豪雨で、天竜川水系の至る所で山津波、土砂崩れなどの大災害を及ぼした。昭和44年天竜川の左支川小渋川に洪水をカットする小渋ダムが建設された。

 天竜川の流量配分は現在、天竜川上流部基準地点天竜峡において、基本高水ピーク流量5700m3/s、洪水調節施設による調節流量1200m3/s、河道への配分流量4500m3/s、一方下流部鹿島地点においては、各々ピーク流量 19000m3/s、施設調節流量5000m3/s、河道配分量 14000m3/sと平成6年に改定されている。


天竜川の利水

 天竜川本川は、古くから電源開発の宝庫といわれ、上流から昭和10年泰阜ダム、27年平岡ダム、31年佐久間ダム、33年秋葉ダム、51年船明ダムの5つのダムが「階段上の一貫開発を集めた天竜川本流断面略図」(三浦基弘・岡本義喬編『日本土木史総合年表』(東京堂出版・平成16年)で示すとおり順次築造されてきた。一方、天竜川上流域の各支川では、美和ダム、小渋ダム、松川ダム等の建設によって治水を含む利水が図られた。

 平成15年3月現在、天竜川は発電用水として51ケ所常時使用量571.52m3/s(最大2623.5m3/s)、上水道として21件取水量5.72m3/s(給水人口 126.6万人)、鉱工業用水として15件取水量 4.3m3/s、かんがい用水 286件取水量125.06m3/s(かんがい面積 29955ha)、その他46件取水量 4.4m3/sと利用されている。
「階段上の一貫開発を集めた天竜川本流断面略図」
@泰阜(1962) A平岡(1952) B佐久間(1956) C秋葉(1957) D船明(1974)

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