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13.三重県のダムのまとめ

 三重県のダムは明治期〜平成17年にかけて46基造られてきたが、次のようにまとめてみた。

・ダム46基の用途は治水2基、農業27基、水道3基、工業2基、発電2基、多目的ダム10基となっている。昭和初期までは多くの農業用水のダムが造られ、それ以降は利水に伴う多目的ダムが造られるようになった。昭和32年完成三重県初の多目的ダム宮川ダムの建設は、県土の発展の礎を築いた。

総貯水容量は、 100万m3以下31基(68%)、 101万m3〜1000万m3 8基(17%)、1001万m3〜3000万m3 4基(8%)、3001万m3〜8000万m3 3基(7%)で、小規模のダムが多い。

・ダムの堤高ベスト3は、
  1.宮川ダム  88.5m
  2.青蓮寺ダム 82m
  3.蓮ダム   78m
 であり、一方、総貯水容量のベスト3は、
  1.宮川ダム  7051万m3
  2.蓮ダム   3260万m3
  3.青蓮寺ダム 2720万m3
 となっている。

・ダム事業者別では、
   ・土地改良区等 25基
   ・国土交通省   1基
   ・農林水産省   1基
   ・三重県、津市 13基
   ・水資源機構   5基
   ・電源開発(株) 1基
 となっている。

・ダムの堆砂率は、
   ・三瀬谷ダム 22 %(昭和41年竣工)
   ・宮川ダム 5.6%(32年竣工)
   ・青蓮寺ダム  3.4%(45年竣工)
   ・比奈知ダム  1.4%(平成10年竣工)
  となっており、堆砂率は低い。(「電力土木」2004 No313 )

 ・「淀川水系の水資源計画」に基づき、造られた青蓮寺ダム、比奈知ダムは治水、利水とともに、その役割は三重県より、奈良、京都、大阪地区が高くなっている。一方、伊勢湾、熊野灘に流れ込む河川に造られたダムは、三重県に 100%の効用を果している。

・中里ダムを中心とする調整池は、流域変更と渓流取水方法で造られた特徴をもっており、全国的にも珍しいダム運用が図られている。
・これらの46基のダムは、三重県の5つの地域に、バランスよく治水と利水の目的を果たしており、三重県の発展に寄与している。


 おわりに、三重県の水環境に係わる書を掲げる。

・奥山甲子男編『水(俳句)』(海程新社・平成3年)
・三重県編・発行『三重の水資源』(昭和46年)
・  同    『三重の水資源』(昭和53年)
・三重県砂利挙動組合連合会編・発行『三重県砂利史』(昭和57年)
・弥永貞三・谷岡武雄編『伊勢湾岸地域の古代条理制』(東京堂出版・昭和54年)
・三重県土地改良事業団体連合会編・発行『三重県土地改良の歩み』(昭和52年)
・中 貞夫著『宇陀川二千年史』(宇陀川用水土地改良・昭和48年)
・雲出井土地改良区編・発行『雲出井土地改良区』(平成13年)
・折戸清三郎著・発行『立梅用水史』(昭和35年)
・東海農政局編・発行『宮川用水技術誌』(昭和42年)
・  同      『宮川用水地域における土地改良と農業展開』(昭和55年)
・宮川用水土地改良区編・発行『宮川用水史』(昭和61年)
・三重用水史編纂委員会・水資源開発公団編『三重用水史』(三重県・三重用水土地改良区・平成5年)
・水資源開発公団三重用水建設所編・発行『三重用水事業の写真集』(平成5年)
・中勢用水土地改良区編・発行『県営中勢用水完工記念誌』(平成15年)
・若林高明著・発行『天保十年水論−三重県安東町』(昭和58年)
・三重工事事務所編・発行『鈴鹿川砂防工事誌』(昭和45年)
・  同        『雲出川の災害』(昭和62年)
・亀山測候所編『三重県災害史』(三重県・昭和30年)
・津地方気象台編・発行『三重県に影響のあった台風』(昭和59年)
・旧四日市を語る会編・発行『二十世紀の自然災害』(平成12年)
・三重県県民室編・発行『伊勢湾台風災害画報』(昭和35年)
・全日本写真連盟桑名支部編『伊勢湾台風桑名の記録』(桑名市・昭和35年)
・日本治山治水協会編・発行『伊勢湾台風等による林業関係の被害』(昭和35年)
・三重作文の会編・発行『わたしはひとりになった−伊勢湾台風子どもの記録』(昭和35年)
・伊藤重信著『輪中と高潮−伊勢湾台風の記録』(三重県郷土資料刊行会・昭和57年)
・草薙均編『輪中の伊勢湾台風体験』(長島町・昭和55年)
・三重県美杉村編・発行『伊勢湾台風災害復興記念誌』(昭和38年)
・木曽岬町編・発行『伊勢湾台風30周年記念誌』(平成元年)
・三重統計調査事務所編・発行『昭和36年風水害の概況−水稲を中心に』(昭和37年)
・三重県電気部編・発行『宮川総合開発事業史』(昭和35年)
・中勢用水農業水利事業所編・発行『宮川用水完工記念写真集』(昭和61年)
・中部読売新聞社津支局編・発行『宮川紀行』』昭和51年)
・山田倫子著『川紀行・宮川』( (有) 海幸彦・平成10年)
・太田毅彦編著『宮川環境読本−真の循環型社会を求めて』(東京農業大学出版会・平成17年)
・三重県編・発行『宮川ルネッサンス事業』(平成11年)
・  同    『宮川ルネッサンス事業第2次実施計画』(平成15年)
・全国川サミットin宮川実行委員会編・発行『第9回全国川サミットin宮川』(平成12年)
・宮川流域ルネッサンス協議会編・発行『宮川物語』(平成13年)
・寺田貢著『赤目滝今昔』(赤目滝郷土史研究会・昭和52年)
・津市水道局編・発行『津市水道六十年史』(平成元年)
・四日市市水道局編・発行『四日市市水道50年史』(昭和54年)
・鈴鹿市水道局編・発行『鈴鹿市の簡易水道史』(平成15年)
・美しくに学文庫水グループ編『じゃ口の向こうにみえるもの』(三重社会経済研究センター・平成7年)
・森和紀著・発行『水と地域』(平成12年)
・佐々木俊夫著『櫛田川』(夕刊三重新聞社・昭和58年)
・三重大学人文学部社会科学科安濃川プロジェクト編・発行『安濃川再開発(平成2年)
・伊賀びとのおもい実現委員会編・発行『わたしたちと木津川(児童書)』(平成14年)
・黒川静夫著『三重の水力発電(三重県良書出版会・平成9年)
・黒川静夫著・発行『三重県南部水力発電史』(昭和59年)
・  同     『三重県における水力利用(水車)』(昭和60年)
・三重県企業庁編・発行『企業庁二十年史』(昭和57年)
・  同       『企業庁30年の歩み』(平成3年)
・  同       『山村ダム工事記録』(昭和50年)


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