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◇ 7. 矢作川のダムのまとめ

 以上、矢作川のダムは17基に及ぶが次のようにまとめてみた。
(1) 築造区分は、明治〜大正期は岩津発電所をはじめ多くの水路式発電所がみられるが堤高15m以上のダムはない。昭和初期に6基、昭和中期3基、昭和後期6基、平成期2基とそれぞれ築造された。
(2) ダムの型式アースダム7基、重力式コンクリートダム7基、ロックフィルダム2基、アーチダム1基である。
(3) ダムの起業者別では、藤岡町5基、中部電力4基、農林水産省3基、愛知県2基、建設省1基となっている。
(4) ダムの用途は、農業用水10基、発電用ダム4基、治水を含めた多目的ダム3基となっている。なお、わが国初の二段式用水発電である奥矢作揚水発電は黒田ダム(上池)から、矢作ダム(下池)まで地下導水路5.5qで結び、その標高差約600mの間に富永ダム(中間池)を設けて発電を行っている。
(5) ダムの堤高は、15m〜30m9基、31m〜60m6基、61m〜100m2基であり、ベスト3は矢作ダム100m、羽布ダム62.5m、黒田ダム45.2mである。
(6) ダム総貯水量は、10万m3以下8基、11万m3〜100万m33基、101万m3〜1 000万m33基、1 001万m3〜8 000万m33基であり、ベスト3は矢作ダム8 000万m3、羽布ダム1 936.3万m3、黒田ダム1 105万m3である。

◇ 8. おわりに

 矢作川に係わる水環境の書をいくつか挙げてみる。
(1) 明治用水史誌編纂委員会編・発行「明治用水」(昭和28年)
(2) 明治用水史誌編纂委員会編・発行「明治用水資料編」(昭和28年)
(3) 明治用水百年史編纂委員会編「明治用水百年史」(明治用水土地改良区・昭和54年)
(4) 明治用水通水120周年記念特別委員会編「明治用水通水120年誌」(明治用水土地改良区・平成11年)
(5) しだれ用水編集委員会編「しだれ用水」(枝下用水土地改良区・昭和63年)
(6) 矢作川総合農業水利事業所編・発行「矢作川総合事業誌」(平成元年)
(7) 内藤連三編著「水は生きている−共存の条件を求めて・矢作川方式」(風媒社・昭和63年)
(8) 内藤連三編著「渇水に挑む」(中日出版社・平成6年)
(9) 矢作川環境技術研究会編集委員会編「渇水に挑むPartU」(中日出版社・平成11年)
(10) 矢作川漁協100年史編集委員会著「環境漁協宣言−矢作川漁協100年史」(風媒社・平成15年)
(11) 矢作川流域振興交流機構編・発行「矢作川−流域研究の系譜と将来」(平成4年)
(12) 三津井宏・池田芳雄編「矢作川の自然を歩く」(風媒社・平成5年)
(13) 松井貞雄編「矢作川とその流域」(矢作川流域開発研究会・平成5年)
(14) 毎日新聞社編・発行「地域を開いて一世紀の明治用水」(昭和55年)
(15) 大和田道雄編著「矢作川流域の気候」(荘人社・昭和59年)
(16) 名古屋女学院短期大学生活科学研究所編・発行「矢作川の自然」(昭和38年)
(17) 神谷素光著「矢作川歴史紀行」(郷土出版社・平成12年)
(18) 上矢作川町編・発行「2000年9月12日恵南豪雨災害記録誌」(平成13年)
(19) 小谷野錦子編「きれいな水がほしい−主婦たちの矢作川源流行」(風媒社・平成7年)
(20) 藤岡町教育委員会編・発行「藤岡の水車」(昭和58年)


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