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■野村ダムの建設 −わずか10年で完成−

 愛媛県下最大の河川「肱川」は、昭和18・20・29・38・45年と洪水が相次ぎ、昭和34年には野村町の下流に「鹿野川ダム」が完成したが、なお治水安全度を向上させる必要があった。一方、南予地区の海岸部では毎年のように水不足に悩まされ、特に、昭和42年には、農業用水はもとより、生活用水にも事欠く「大旱ばつ」に見舞われた。

 これを契機として、愛媛県では昭和45年に「南予水資源開発計画」を策定。翌46年には、関係市町は「南予用水事業期成同盟会」を結成。


大洲地区の浸水状況
 建設省においても、昭和46年4月に野村ダム調査事務所を開設。48年4月には「野村ダム工事事務所」となり、49年3月にダム工事に着工、53年11月に 定礎式、56年11月に竣工式が行われ、57年3月に野村ダム建設事業が完了。実施計画調査の開始から完成までわずか10年という、全国でも最短の期間で建設された特徴的なダム。

 この間、昭和49年7月には、全国で最初の水特法水源地域対策特別措置法)の指定を受け、同年12月には水特法に基づく整備計画が決定、ダム周辺の環境整備が一体的に進められた。


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