ダム学習塾
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Q&A一覧
質 問 | 回 答 |
日本で一番古いダムは何というダムですか? | 日本では、古くからかんがい用のため池のダムが造られて来ました。 ため池は神話にも出てくるくらい古くから作られており、一番初めに造られたダムはハッキリしませんが、現存する日本最古のため池は大阪府にある狭山池ダムで、西暦616年に造られました。 |
世界で一番古いダムは何というダムですか? | 「新体系土木工学」 76 ダムの施工(土木学会編)によると、紀元前2900年頃、エジプトのMenes王によってナイル川に高さ約15m、堤長約450mの石積みのKosheishダムが建設され、約20㎞下流の首都Memphisまで導水したと伝えられているそうです。また、紀元前2750年頃造られたと推定されるSadd-el-Kafaraダムこそが世界最古のダムであるという説もあります。 |
どうしていろいろな型式のダムがあるのですか? | ダムの型式は、安全性を念頭に置き、ダムサイトの地形、地質、気象、流量などとともに、経済性などを考慮して決められます。岩盤がとても丈夫なところではアーチダム、次いで重力式コンクリートダム(これらの中間で重力式アーチダムというものもあります)、比較的地質の悪いところではフィルダム(堤高が概ね30m程度まではアースダム、それ以上の高さの場合はゾーン型のロックフィルダム)を選択することになります。場所によっては、コンクリートダムとロックフィルダムを組み合わせた複合ダムというものもあります。また、条件によっては、中空重力式コンクリートダムやバットレスダムが採用された時代もありました。このような理由で様々な種類のダムがあるのです。 |
ダムの種類を教えてください。 | ダムの分類のしかたにもいろいろあります。 使用目的による分類では「洪水調節・農地防災」などの治水、「不特定用水、河川維持用水」「かんがい用水」「上水道用水」「工業用水道用水」「発電」「消流雪用水」「レクリェーション」などの利水があります。これらの中の2つ以上の目的を持つダムを「多目的ダム」と言います。 型式による分類では材料によってフィルダムとコンクリートダムとに分けられます。コンクリートダムには重力式、アーチ式、中空重力式、バットレス式が、フィルダムにはゾーン型、表面遮水壁型、均一型があります。 コンクリートダムとフィルダムを組み合わせた複合ダムもあります。 その他の分け方として、事業主体による分類や、施工方法による分類などもあります。 |
ダムは何に使われるの? | 前回のダムの種類のところでダムの使用目的について述べました。ここではそれぞれの項目をちょっとだけ詳しく説明しましょう。 「洪水調節・農地防災」……集中豪雨は水害をもたらします。都市や農地に一度に水が来ないように一旦ダムで蓄えて調整します。 「不特定用水、河川維持用水」……大陸の河川と比べて日本の河川の多くは流量の変動が大きいので、ダムに貯めた水を使ってその調節をします。 「かんがい用水」……田んぼや畑の作物には水が必要です。雨が少ないときでも作物が順調に育つようにダムの水を使います。 「上水道用水」……皆さんが蛇口をひねったときに出てくる水も、そのほとんどはダムに蓄えられた水を使っているのです。 「工業用水道用水」……工場では製品を洗ったり、機械を冷やしたりするのに大量の水を使います。そのための水をダムに蓄えます。 「発電」……ダムによって落差を発生させ、水の持つ位置エネルギーを電力に変えます。最近作られる電力用ダムの多くは、上池と下池の二つのダムを設けた「揚水発電式」です。この方式は、火力・原子力の夜間余剰電力で上池にポンプアップし、電力需要が大きい時間帯に下池へ落下させ発電をするものです。 「消流雪用水」……雪国では、道路に積もった雪を散水によって融かすところがあります。そのための用水をダムに貯めておくのです。 「レクリェーション」……ダムを造るとダム湖が出来ます。湖はボート遊びや釣りなどのレジャーの場となります。レクリェーションを目的の中に謳っているダムも最近出てきました。 |
日本で一番大きいダムは何というダムですか? | ダムの大きさを測るものさしとして、主に「堤高」「堤頂長」「堤体積」「貯水池の容量」等があり、それぞれ日本一があります。 堤高、堤体積、有効貯水容量については、「日本のダム・世界のダム」を参照してください。 堤頂長については、「ダム年鑑2000」に記載されている完成ダムの中では「喜界地下ダム(鹿児島)」が2,280mで最も長く、地下ダムを除くと「大谷内(おおやち)ダム(新潟)」が1,780mで最長です。 地下ダムというのは、地下に遮水壁を作って水を貯める構造物のことです。 |
そもそも「ダム」って、どういうものをいうの? | 日本の場合、河川管理施設等構造令(国土交通省令)第3条で、流水を貯留する目的で築造された高さ15m以上の構造物と規定しています。わが国で一般的に「ダム」といった場合はこの定義によります。なお、高さ15m未満の構造物は、ため池や小さな堰となります。 |
日本にダムはどれくらいあるんですか? | 平成12年3月末の時点で完成している堤高15m以上のダム及び河口堰等を合計すると、2,704ダムです(このうち再開発事業による重複が13ダム有ります)。また、調査中あるいは工事中のダムは413ダム(うち、再開発事業25ダム)です。 |
変わったダムにはどんなものがありますか? | ダムは、地形、地質、手に入る材料、時代背景などの様々な条件により、型式やデザイン、機能が決まります。つまり、すべてのダムがそれぞれ独特の特徴を持っています。その中でも特に「これは変わっている」「これは珍しい」と思えるダムをいくつか紹介しましょう。 鷹島ダム……長崎県鷹島に作られた、下流側は海中に入っているダムです。(ダムギャラリー参照) 西山ダム……再開発で新しくダムが造られましたが、直ぐ上流にあるダムは歴史的建造物としての価値があると言うことで、そのまま残してあります。 その他にもいろいろありますので、おいおいご紹介していきます。 |
秋の行楽シーズンに温泉に行こうと思います。温泉に浸りながら眺められるダムはありませんか? | ダムの近くに温泉があるところは、かなりあります。 たいていは温泉に浸かりながらダム湖を眺めることになります。 御所ダム湖畔の繋温泉、相俣ダム湖畔の猿ヶ京温泉など、数え上げればきりがありません。 一方、温泉に浸かりながらダム堤体が望める温泉は、割と少ないようです。そんな中で、岡山県の「湯原温泉」は、露天風呂に浸かりながら湯原ダムが望めるという、なかなか風流なところです。 |
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