会長挨拶

2021年 会長年頭挨拶
一般財団法人 日本ダム協会 会長
宮本 洋一

昨年は新型コロナウイルスの猛威に直面した一年でしたが、一方で、熊本県を中心に九州地方から東北地方の広範囲で浸水被害をもたらした7月豪雨や、九州地方に記録的な暴風をもたらした台風10号など、気候変動の影響による大規模な自然災害の発生が常態化しつつあることを痛感させられる一年でもありました。これらの災害で被災された方々には、改めて衷心よりお見舞い申し上げます。

近年、激甚化・頻発化・広域化する自然災害から、国民の生命と財産を守り、経済活動の基盤を維持していくためには、中長期的な視点で防災・減災対策に取り組むことが重要です。国土交通省におかれましては、昨年7月に「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」を立ち上げ、流域にかかわる関係者(国・都道府県・市町村・企業・住民等)が力を合わせ、水災害リスクを低減する「流域治水」の方針を策定されました。「流域治水」の考え方には、事前放流を含む利水ダムの治水活用、治水ダムの建設・再生などの取り組みを一層加速する方向性が示されています。

ダムは、事前防災に不可欠な社会インフラです。現在、新型コロナウイルスの感染拡大がなかなか収束しない状態が続いていますが、昨今の自然災害の被害状況を踏まえると、建設業はこうした状況下においても事業を継続する必要のある、いわゆる「エッセンシャルワーカー」として、建設現場の感染対策をしっかりと講じながら、着実にダム事業を推進していく必要があります。

当協会といたしましても、ダム事業について、多くの方々に一層理解を深めていただけるよう、積極的な広報活動に努めてまいります。また、既設ダムを有効利用した再開発、老朽化対策などの調査研究を進めるとともに、新技術の開発やダム施工技術の更なる向上にも努めていく所存です。

今後とも関係する皆様方と緊密に連携しながら、各種の活動を通じて、ダム事業のさらなる発展に寄与してまいりますので、引き続き、関係各位のご支援、ご協力をお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。