山口調整池
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「昭和53年の福岡大渇水を契機として福岡都市圏では様々な節水方法が講じられ節水型の都市社会が定着し、渇水に対する市民の関心も非常に高くなってきている。しかしながらライフラインとしての機能を果している筑後川からの導水が一時期でも停止されれば節水型社会であるとはいうものの、その影響はなお一層大きくなるものと予想される。福岡導水を取り巻く現状は 1)流域外取水により筑後川の下流利用者に影響を及ぼさないこと 2)筑後川は近年の異常気象により不安定な流況にあること 3)福岡都市圏の生命の水としての水道用水を一刻たりとも停止できないことなどから、行政の強い要請に応え福岡導水から安定的に導水するためには、筑後川からの取水制限・停止に見合う原水の補給が可能となる調整池の設置が必要不可欠であると判断された。」
実際に、山口調整池の貯留は、筑後川からの取水量の範囲内で行われ、調整池から福岡都市圏の給水は、福岡導水の筑後川からの取水が筑後大堰下流における農業用水の淡水障害対策のため制限又は停止を受けるとき、もしくは福岡導水路のトラブル発生した場合に行うこと、となっている。これらの淡水取水障害及びトラブル復旧工事の期間がともに22日間要することから、計画取水水量(2m3/S)より貯水容量 400万m3が決定された。なお、調整池地点の兎ケ原川の流水は、貯留されず、直接下流へ流され、河川の環境に配慮されている。今日、異常気象により不安定な流況が生じることがあり、山口調整池からの福岡都市圏への水の供給は数回にわたって行われ、その役割を十分に果たしている。
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