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堤高50mを超えるハイダム・大井ダムと水力発電

 大井ダムは、日本で初めて堤高50mを越えるダムともいわれることがあり、その建設は日本の電力王・福沢桃介の最大の事業であった。その大井ダムと水力発電について紹介します。
 内容は、水力ドットコムHisaさんの投稿を元に作成しました。
 
 岐阜県、木曽川水系木曽川に設けられている大井ダムは日本初の水力発電用高築堤ダムです。
 当時の大同電力(現在の関西電力の前身)社長、福沢桃介(福沢諭吉の孫で電力王の異名を持つ)により発案され、大正10年7月、蛭川、阿木川との合流点のすぐ上流において着工されました。

 初めて堤体高50mを越えるため米国より土木技術者を4名招きました。途中、資金不足に陥り米国より資金を調達して工事を続け、ダム及び発電所の総工費1952万円、延べ人数146万人もの莫大な人、資材を投入し、大正13年11月に竣工しました。幾多の苦難を乗り越えての完成で、我が国ハイダム技術の原点とも言うべきものです。

 大井ダムは、大井発電所で水力発電を行うための施設です。大井発電所は、大正13年12月に運用開始、当時の最大出力42900kWでした。



大井発電所全景
大正13年12月運用開始、当時の最大出力42900kW(現在は52000kW)。
右側に見える川に面して縦長の水門(ローラーゲート)が2基設けられている建屋は新大井発電所(最大出力32000kW)で、昭和58年4月に増設されたものです。
 




発電所と大井ダム
発電所と大井ダムの位置関係はこんな感じです。
大井ダムで取水された水は発電所建屋の奥に4本見える柱状のコンクリートの部分まで水路により導水し、水面までの落差約42mを利用し発電を行います。
 




大井ダムを下流右岸側より望む
一番手前は新大井発電所の取水門ですが以前はここもクレストゲートでした。
 




ダム直下の様子
洪水流量が非常に大きいため導流部は堤体全幅に及びます。
岩盤が非常に強固なためか減勢工がありません。
 




ダム天端より下流を望む
下流の橋脚の高さが洪水時の水位の高さを物語っています。
手前の放流口は新大井発電所のものです。
川幅が細く感じられますが水深が深いためで、大井、新大井の両発電所での最大流量は約225立方メートルもあります。
 




ダム湖の様子
恵那峡という観光名所になっています。
左端に写っているのは大井発電所の取水設備です。
[関連ダム]  大井ダム
(2004年12月作成、2005年10月修正)
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 (Hisa)
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