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◇ ダム工事現場へ行きます

ダムへ

遊覧船の次は・・そう、ダムの工事現場です、車に乗って移動・・座学での話の通り・・ダムへ通じる道は途中まで拡幅できたそうですが、国定公園の一種区域の部分はとても狭く、ほんと車一台が通れる感じです。
さて、ダムの現場に着くと、そこは全て仮設の足場です・・皆さんエネルギア様(中国電力様のこと)のヘルメットをかぶって・・工事現場からの帝釈峡の景色も素晴らしかったです・・帝釈川ダム工事現場の仮設の足場は、かつての自然越流型に近い洪水吐の跡に設置されていました・・

ダムに向かって歩いて行くと、例の80トンクレーンがいました。結構横幅あるなぁと思ったら、キャタピラーの部分だけ幅を狭くできるようになっていて、道路を通過する時は狭くして通ったそうです。それも何時間もかけてゆっくりと・・その時、クレーンの部分は分解して後から組み立てたそうです。
工事現場の足場の上です・・歩いてダムへ向かいます。

これが80トンクレーンです。

足場の端から見た、帝釈川ダム・・こんなに、狭いところにあるのか!!と驚きました。ダム直下で川が右にカーブしています。

足場の端っこから見下ろすと・・すごいです・・ダムというより洪水吐です(笑)・・当日は土曜日でしたが、作業が行われていました。堤体がある程度できたら、ラジアルゲートを取り付けるわけですが・・ゲートをどうやって搬入するのか・・やはり分解して持ち込んで組み立てて取り付けるそうです。
階段を降りて工事現場へ

さて・・仮設の階段を降りて・・堤体(ダム)工事している所へ・・そこは旧堤体の上です・・旧堤体は確かにアーチ形状になっていました。堤体改修工事は、旧堤体の下流側にコンクリートを打ち増す・・嵩上げはしないそうですが、設計にあたっては嵩上げの理論を使ったそうです。


帝釈川ダムの貯水池側、アーチ形状になっています

堤体工事現場、古いダムと新しいコンクリートと一体化するため、鉄筋が用意されています。

また、旧堤体の上には鉄筋がたくさん準備されていました・・本来、ダムには鉄筋は一部しか入っていないのですが、工事で打ち増したコンクリート(新堤体)と既存の旧堤体が一体の堤体にならないといけません。新しいコンクリートは乾くにつれ収縮するそうで、万が一、それで新旧の堤体が一体にならなかったらいけないので、鉄筋で確実に一体化するそうです。
一応、拡張レヤ工法やブロックレヤ方法(このあたりは専門的で、ぼくにはわからないですが・・層状工法と言うらしく、コンクリートを厚さの薄い層として打ち込んで、少しずつ積み上げていく方法、従来の工法より効率的らしい・・従来はブロック工法というのが多かったが、これは幅15m高さ2m程度の型枠を作って、そこへコンクリートを流し込み、打ち込んでいく方法)で工事をしているそうですが・・重機を入れることができないので、かなりの部分が手作業となっていて・・・副所長様曰く・・今時、ダムの工事で手作業の工事しているのはうちだけじゃないですか??・・

ダム直下へ

さて、堤体上部から階段を降りて堤体直下へ向かいます。やはりダム好きならこのポイントから見たい・・直下から見た帝釈川ダム・・すごいの一言です・・そして、ダムサイト(ダムの設置場所)周辺が急峻な崖なんですね。広角レンズを使って見上げると両岸も同時に入ってしまうようなそんな感じです・・すごい場所に建設してあるんだなぁ・・ダムから見える断崖は高さ100m以上あるとのこと、ダムの両岸も断崖ですよ!


ダム直下から見上げた帝釈川ダム、横幅は洪水吐の幅しかありません。両岸とも断崖です!

トンネル型既設洪水吐の吐き出し口・・こちらは、流れ出す方向が川の流れと同じ方向です。ダムにゲートが設置されたら、この写真の左側から水が流れてくることになります。

ダム直下へ行くと既設のトンネル式洪水吐の吐き出し口が見えます・・勢いよく水が流れていました。ダム完成後、洪水になった時は、まず、既設のトンネル式洪水吐から放流を始め・・流量が増えたら新設した洪水吐のラジアルゲートを開けるということです。それには理由があり、トンネル式洪水吐は川の流れる方向と同じなので、放流した水はまっすぐ川に流れ出ますが、ダムから川を見ると、ダム直下で川は右に曲がっています。それで、ダムのゲートを先に開けると、ダムからの放流水が岩盤にぶつかってしまう。それで、既設の洪水吐の流れに新しいゲートからの水をぶつけて減勢(げんせい(放流した水の勢いをおさえる))する方法をとるそうです。
人工の減勢工(げんせいこう(放流した水の勢いをおさえるための設備))はなく、自然にできている淵を減勢池として使っているようです。

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