6.庄川合口ダム(庄川)の建設
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庄川は、庄川町で山間部を離れ、穀倉地帯、栃波平野扇状地を流れるが、古くから用水が開削されてきた。その用水は農民の生命の源であり、代表的な用水は右岸の芹谷野用水、左岸の二万石用水の通水であって、またその維持管理にも苦労の連続であった。
主にこれらの用水は扇状地右岸約1700ha、左岸約7200haの水田を潤してきた。右岸に芹谷野用水、六カ、針山、中田口の4ケ所、左岸には二万石七千石用水、舟戸口、若林口、新又口、千保、柳瀬口の六ケ所の取水を持っていた。ところが、上流部ではともかく、河道が一定しないため取水口の導入は常に困難をきたし、用水不足に起因する被害面積は右岸で 370ha、左岸で 600haに及んだ。この状況のなかで、さらに小牧、祖山ダムの建設によって農業用水が影響を受けることとなる。さらにダムによって砂礫の流下が阻止されるために河床は漸次低下し、用水路の取水ができなくなることもあった。(前掲書『庄川』)
そこで、合理的な取水方法として、用水合口事業により、昭和14年富山県砺波市庄川町大字金屋字小川原地点に築造されたのが庄川合口ダムである。この事業について、庄川合口用水史編集委員会編『庄川合口用水史』(庄川合口用水史刊行会・昭和42年)がある。
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庄川合口ダムの諸元は、堤高18.5m、堤頂長 103.3mm、堤体積2万m3、総貯水容量62.6万m3、型式は重力式コンクリートダム、起業者は関西電力(株)、施工者は(株)間組・(株)加藤組である。ダムは重力式固定堰堤の頂部に扇形可動堰、および排砂門を装置したもので全ゲートの開放によって流下させる。なお、合口ダムに伴う雄神川発電所をめぐって、富山県、関西電力(株)、用水側と紛争がおこり和田川総合開発にも影響を及ぼすが、昭和40年7月に解決に至った。
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『庄川合口用水史』 |
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平成18年2月、農林水産省は、一般の人々の疏水への意識を高め、農家だけでなく都市の人々も含めた国民全体でその保全活動に取り組んでもらい、日本の美しい豊かな郷土と歴史、文化遺産である疏水を次世代へ継承してもらうために「疏水百選」を選んだ。富山県では、十二貫野用水、常西合口用水、鷹栖口用水(砺波平野疏水群)、舟倉用水が選ばれた。
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