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■8月11日:大分南部をまわり延岡まで、雷雨に苦しむ

8月11日、この日は大分南部のダムをまわりつつ延岡までの予定でした。

まずは大分から県道41号線を通って師田原ダムへ。道が段々細くなってきて路面状態も非常に悪く、途中の「青少年の森」付近で一度広くなるものの、そこから先は再び細く険しくなります。昼でも暗い杉林の中を、落石や倒木を避けながら恐る恐るバイクを走らせました。集落が見えてくるようになると、道は広くなったり狭くなったりを繰り返します。ヘトヘトになって師田原ダムに到着、堤体上を霧が昇ってくる幻想的な景色を見れました。師田原ダムで少し休憩した後、国道57号線を突っ切り、県道26号線を通って沈堕ダムへ向かいました。ダムといっても堤高は数mしかない堤体ですが、自然の滝(沈堕の滝)の上に造られた発電用取水ダムです。滝と言うものは段々浸食されて上流部に遡っていくもので、このままいくと沈堕ダムは滝壺に落下してしまうことになります。九州電力では滝がそれ以上上流部へ浸食されないよう、更に景観や水の流れに配慮して修復したようです。沈堕ダム下流側に旧沈堕発電所跡があります。昔稼働していた水車の展示もしてあります。沈堕ダムの下流には川辺ダムがありますが、これは小堰堤のようでパスすることにしました。

国道502号線を東へ進み、石場ダムを見学。県道53号線を下って国道10号線に出、野津ダムを探しましたが見つかりませんでした。一度大分方面に戻り、昨日行けなかった野田、青江ダムを見学。ところが青江ダム見学後スピード違反で捕まってしまい、罰金¥15,000を課せられました。こちらの方ではパトカーの上部、警告灯の付いている部分にレーダーが組み込まれているようです。青江ダムに向かう時には単にパトカーが止まっているだけに見えたのですが、とんだ落とし穴にはまってしまいました。ムカついたので速攻で罰金を払いこみ、次の床木ダムへ向かいました。治水ダムのようですが、展示館のような建物があったりします。床木ダムから南へ下ると佐伯市の街に出ます。

この頃から雷の音が聞こえるようになってきました。コースをどのようにするか…ここから南にある黒沢ダムは道が悪そうだし、国道388号線は回り道になるので小中原、大中原ダムはパス。国道10号線から326号線へ抜け、この間にある直川ダム、北川ダム、下赤ダムを見学することにしました。国道10号線を走行中は多少雨に降られたものの、直川ダムにつく頃には晴れ間が出てきました。このダムも治水ダムで貯水していません。ダム便覧には赤木ダムと紹介されていますが、ダムの銘板には直川ダムと書いてありました。


師田原ダム
霧が堤体にかかろうとしている

沈堕の滝
上段の小さな滝が沈堕ダム

旧沈堕発電所跡

石場ダム

石場ダムにて

野田ダム

青江ダム

床木ダム

直川ダム

直川ダム付近にて
直川ダム見学後国道10号線を南に向かう途中、そこらじゅうで雷の音がするようになりました。大粒の雨が降ってきて、急遽ガソリンスタンドで燃料補給と雨宿り。20分程で雨があがったので早速出発しました。しかしその後すぐにまた雨が降り出し土砂降りになった為、必死で雨宿り先を探しました。この影響で県道39号線に入るのを忘れ、そのまま国道10号線を走ることになりました。日豊本線重岡駅の自転車置場は屋根が付いていて、この下で雨宿りすることにしました。こんどはさっきみたいに簡単に雨はやみません。雷鳴が轟き、大粒の雨が降り注いできます。やることがないので、水溜りをダム湖に例えて定点観測をしてみました。30分位して、バイクで宮崎方面から走ってきた人が雨宿りに入ってきました。この人は宮崎を出発したばかりとのことで、とんだ災難でした。


日豊本線重岡駅にて

大雨時における定点観測その1
ダムは放流を開始

大雨時における定点観測その2
放流量増加

大雨時における定点観測その3
毎秒2,500t放流(笑)
1時間程待って、雨は小降りになってきました。服は濡れていたけど、その上から合羽を着て出発。北川ダムと下赤ダムはパスすることにしました。国道10号線を走行中、直径10cm程の石が目の前に落ちてきてヒヤリとしました。途中の道の駅「北川はまゆ」で休憩し延岡に向かいました。ホテルで服を洗濯し、近くの居酒屋で一杯やって、眠りに就きました。



■8月12日:宮崎県の急峻な山岳路

8月12日、この日から宮崎県の急峻な山岳路を進むことになり、気合いを入れて出発しました。

まずは祝子川を遡って浜砂ダムを見学。導流壁が大きく、堤頂部には橋がかかっています。更に川を遡っていくと道はどんどん狭くなっていきます。舗装がきれいなおかげで、祝子川ダムまではあまりストレスを受けることなく進めました。途中素掘りのトンネルを抜け、祝子川ダムに到着しました。堤体上は立ち入り禁止で、下流側から撮影するポイントがみつかりませんでした。しかしバックに見える山々の稜線がきれいでした。

祝子川を下って一度延岡に出、今度は五ヶ瀬川を上って行きました。県道214号線に入り西畑ダムを見学。小さなダムでしたが、ダムのすぐ横に田んぼがあったりと面白いダムでした。再び五ヶ瀬川を上り星山ダムを見学。このダムは旭化成ケミカルズ鰍フ所有するダムです。更に五ヶ瀬川を上って高千穂に出ました。この付近には芋洗谷ダムという、チッソ株式会社所有のダムがあります。なかなか入口が見つからず、間違った山道を下りてしまったこと2回。漸く入口の道を見つけましたが、ダートだったためにバイクを置いて歩いて行きました。広い駐車場のような場所に出ると、下に延びていく階段を見つけました。このダムは先に灰エースさんが訪問しており、彼のサイトでこの階段を見ていたので間違いなさそうです。コンクリートで造られたこの階段を下りていくと、芋洗谷ダムが姿を現しました。このダムの特徴は重力式アーチという数少ない種類の堤体であるとともに、日本ではあまり見ることのできない「朝顔型洪水吐」を持っていることにあります。このダムはクレスト部に洪水吐を持たない、非越流式の堤体です。貯水池の水は他の河川から導水されていて、調整池の役割をしているようです。よってそれほど大きな洪水吐は必要なく、特殊な「朝顔型洪水吐」が採用されているものと思われます。


浜砂ダム

祝子ダム

祝子ダム付近の道
すごい岩場

西畑ダム
すぐ横に田んぼがある

星山ダム
旭化成ケミカルズ鰹蒲L

芋洗谷ダムへ続く階段

芋洗谷ダム
チッソ株式会社所有

芋洗谷ダムの朝顔型洪水吐
芋洗谷ダム見学で喉が渇いたので、近くの道の駅「高千穂」で休憩。休憩後国道218号線を西に進み国道503号線に入って、宮の元ダムを目指しました。日本のアーチダムとしては最も堤高の低いものです。地図上で、宮の元ダムの付近には幾つかのダム名が見受けられます。ダム便覧に載っていないところをみると小堰堤のようですが、一応確認することにしました。山瀬ダム、七ッ山ダム、柳原ダムといずれも小堰堤であることを確認しました。3つの小堰堤を確認後、そのまま諸塚ダムを見学。中空重力式ダムですが堤体下流面に大きなスリットが入っており、井川ダム等とは少々違います。国道327号線に戻り、耳川を下って山須原ダムを見学。庄川水系に見られるようなダムに形が似ています。その下流にある西郷ダムは川床の岩盤がむき出た部分に造られています。まだ時間的な余裕があるので、先日忘れていた沖田ダムに向かいました。途中雨が降ってきて、バイクを管理所の軒下に置いて雨宿りしました。


宮の元ダム
最も堤高の低いアーチダム

山瀬取水ダム

七ッ山川取水ダム

柳原取水ダム

諸塚ダム
スリットの入った中空重力式ダム

諸塚ダムにて

山須原(鳥の巣)ダム

西郷ダム

沖田ダム

沖田ダム管理所にて
雨宿り中のCB1300SB
暫くして雨が上がり、日向市のホテルに向かいました。地鶏の焼き物をつまみに一杯やって、翌日のダム巡りに備えました。


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