全項目表
 
ダム番号:626
 
四万川ダム [群馬県](しまがわ)



ダム写真

(撮影:安河内孝)
019860 ぽこ
075655 ジャワ
041450 ふむふむ
040375 ER
D-shot contest 入賞作品   →ダム便覧トップ写真   →フォト・アーカイブス [ 提供者順 / 登録日順 ]
どんなダム
 
上信越高原国立公園
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奥四万湖は上信越高原国立公園内にある。建設に当たっては、自然環境への影響に配慮した。湖の水の青さも特筆もの。なお、四万湖は中之条ダムのダム湖名で、まぎらわしい。
[写真](撮影:石川照之)
城壁を思わせる
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景観に配慮して、堤体下流面は、化粧型枠により石積み風に。美しい城壁を思わせるとの評もあるが。
[写真](撮影:宮島 咲)
ダム天端高欄には陶板画
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ダム天端高欄には地元中之条町の小学生たちが作成した陶板画が。
周辺整備に力を入れる
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観光客の多い地域であり、地域の人々や観光客に広く愛されるような周辺整備を進める。赤沢やすらぎ広場、栂(つが)の広場、稲包(いなつつみ)せせらぎ公園などを整備。四万せせらぎ資料館では、「四万川ダム堤体模型」「四万川ダム周辺地域模型」やパネル写真を展示。日帰り入浴施設「こしきの湯」が併設されている。
[写真]赤沢やすらぎ広場
下流に四万温泉
___ 直下流に四万温泉郷が広がる。歴史のある古くからの温泉で、四万の病いを直すという。現在では、趣きある木造建築の旅館とともに、近代的なホテルも立ち並ぶ。
シリーズ ダム百選 投票から
第 1 回  『 もう1度行きたいダム 』
■ 上から下からあらゆるところから見ることができる。堤体もきれいで、お城のよう。重力コンクリート型の完成系を見る。 (41〜50歳 男)

第 10 回  『 夏に遊べるダム 』
■ 堤防の下側に「日向見公園」があり、四万川と遊べますという看板がありました。放流管から流れ落ちる水を背景に川遊びができます。100メートル向こう側はあの青い湖、是非体験していただきたいです。 (おその)

第 13 回  『 デザインの良いダム 』
■ パッと見、まるで城塞のよう。同じ群馬県にある、ロックハート城を意識しているのでしょうか?周りが整備されており、下からも眺められますが、この写真の角度が一番城塞っぽい? (たろちゃん)

第 16 回  『 家族で行きたいダム 』
■ 群馬県四万温泉の上流にあるダムで、ダムサイト脇に日帰り温泉があったりダム湖を1周する周遊道路をサイクリングしたり、湖畔の公園でお昼を食べたりと1日遊べるダムです。 (黒岩久一)

第 17 回  『 温泉が近くにあるダム 』
■ 一部では無駄なダムとか揶揄されていますが、下流には四万温泉郷、ダム湖すぐ脇には四万こしきの湯があり、ダム湖のコバルトブルーを眺めながらのんびりできるダムです。
堤体のデザインも凝っているし、堤体直下も公園として整備されているのでお勧めです。[四万こしきの湯] (さとぽん)

■ 繁華街はおろか、コンビニすらない四万温泉。
だからこそ純粋に温泉としての魅力を最大限に感じて欲しいところです。
そして四万川に沿って伸びる四万温泉の最上流にあるのが、四万川ダムです。
温泉を堪能したあとに下流の公園をそぞろ歩くもよし、ダムを堪能したあとに、堤体右岸の資料館に併設された日帰り湯で汗を流すもよし。
様々な楽しみかたができるダムと温泉です。[四万温泉] (夕顔)


第 21 回  『 雪景色の似合うダム 』
■ コバルトブルーの湖面と雪化粧のコントラストが美しいです。 (たろちゃん)

第 25 回  『 クールなダム 』
■ ダム湖(奥四万湖)は、まるでクールバスクリンを溶いたかのような深く鮮やかな青い色をしています。ダムの右岸上流部にある「四万せせらぎ資料館」の説明資料によると、ダム湖内に溶け込んでいる微粒子に太陽光が散乱する際、空が青く見えるのと同じ仕組みで、波長が短い青い光ほど強く散乱するため、深い青色となるとのことです。 (水之恵)

第 35 回  『 珍しい植物が見られるダム 』
■ 珍しい植物かは微妙ですが、「珍しい植物が見られるダム」これも是非加えてほしい。たぶん「ヤマホタルブクロ」ですが、堤体直下に一輪だけですが咲いていました。 (柴ちゃん)
テーマページ 「ダムナイト5〜ダムのデザイン、どうしてこうなった〜」 そのあらまし
第2回 D-shot contest 〜こんな写真も〜
(財)ダム技術センター第21回「ダムフォトコンテスト」受賞作品
このごろ ダムナイト4〜原石山が好みです
東日本一のダメダム?
左岸所在 群馬県吾妻郡中之条町四万  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯36度41分47秒,東経138度46分53秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  中之条(8km)

河川 利根川水系四万川
目的/型式 FNWP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 89.5m/330m/516千m3
流域面積/湛水面積 28.4km2 ( 全て直接流域 ) /32ha
総貯水容量/有効貯水容量 9200千m3/8600千m3
ダム事業者 群馬県
本体施工者 大成建設・佐藤工業・間組
着手/竣工 1980/1999
ダム湖名 奥四万湖 (おくしまこ)
ランダム情報 【地域に開かれたダム】国土交通省により地域に開かれたダムに指定される(1994/04/21指定)
【コンクリートダムの工法】RCD工法
【ダム工事年表】仮排水路(1991.8〜1992.4) 本体掘削(1991.11〜1992.6) 本体打設/盛土(1993.9〜1996.12)
【ダムカード配布情報】2021.8.1現在 (国交省資料を基本とし作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver2.0
○四万川ダム管理事務所 10:00〜16:00(土・日・祝日及び12/29〜1/3は配布していません)※平日であっても施設点検等により不在となり配布できない場合があります。
ダムカード画像コレクション
四万川ダム Ver.1.0 (2008.10)
四万川ダム Ver.1.1 (2013.12)
[協力:安部塁]
四万川ダム Ver.1.1 (2015.09)
[協力:ヒロC]
四万川ダム Ver.2.0 (2017.7)
内部リンク 「月刊ダム日本」2000年12月号表紙・四万川(しまがわ)ダム
リンク DAM-goodfellows・四万川ダム
damsite・ダムデータ
damsite・ダム写真集
Damstyle・四万川ダム
THE SIDE WAY・四万川ダム
ウィキペディア・四万川ダム
おぼえがき・四万川(しまがわ)ダム
だむ†ほりっく・四万川ダム
ダムマニア・四万川ダム
ダム浪漫−四万川ダム
関東の堰提・奥上州のダム
群馬の見所紹介
群馬県・四万温泉
四万温泉の魅力
水所探検ぐぁ!!
水力ドットコム・日向見発電所
雀の社会科見学帖・四万川ダム見学 その1
夕顔的日常・景観破壊って言葉のほうがよほど破壊的だ
夕顔的日常・四万川ダム見学・事後拾遺
夕顔的日常・四万川リハビリテーション1〜かなりウザいご挨拶〜
夕顔的日常・四万川リハビリテーション2〜四万川はダムの王子である〜
夕顔的日常・四万川リハビリテーション3〜四万川が流れる町〜
夕顔的日常・四万川リハビリテーション4〜世のちり洗う四万温泉〜
夕顔的日常・四万川リハビリテーション5〜湯立神事と暴れ川〜
夕顔的日常・四万川リハビリテーション6〜温泉とダム〜
夕顔的日常・四万川リハビリテーション7〜ダムと祈り〜
夕顔的日常・四万川リハビリテーション8〜負けるな四万川ダム〜
夕顔的日常・世のちり洗う…
夕顔的日常・理想の電化に電源群馬
参考資料
■四万川ダムの設計・施工について /古澤忠彦
【ダム日本 No.586(H5.8)】
■四万川ダムの施工計画について 群馬県四万川ダム建設事務所 所長 古 澤 忠 彦
【第34回ダム施工技術講習会(H05.10.21)】
■【カラーグラビア】写真で見る四万川ダム
【ダム日本 No.674(H12.12)】
関連書籍 ■群馬県中之条土木事務所 『四万川ダム工事誌』 群馬県土木部 2000
諸元等データの変遷 【05最終→06当初】目的[FNW→FNWP]
【06最終→07当初】河川名[四万川→生居川] 湛水面積[→32]
【07当初→07最終】河川名[生居川→四万川]
【08最終→09当初】堤高[89.5→90]
【09当初→09最終】堤高[90→89.5]
【12最終→13当初】本体施工者[大成・佐藤工業・間組→大成建設・佐藤工業・間組]

■ このごろ → このごろ目次
東日本一のダメダム?

 
群馬県庁本庁舎は、153.8mと全国の都道府県庁舎の中で東京都庁に続く高さを誇ります。
県庁ビルの総工費は444億円といわれ、日本一バブリーな県庁と呼ばれているとかいないとか…

そのバブリー県庁に匹敵する、約420億円という巨額の公費を投入して群馬県が建設したのが、堤高89.5m、堤頂長330mの四万川ダムです。
訪れた人の目を引くのは、堤体の白さと奥四万湖の水の青さ。
ダム愛好家にも賛否両論で、下流面の化粧コンクリートや堤体の意匠をして、「無駄豪華」「東日本一のダメダム」などと酷評する方も少なくないと聞きますが、私はこのダムが大好きです。


かつて、四万川は暴れ川でした。
上毛かるたに「世のちり洗う四万温泉」とうたわれる四万温泉は、この川の上流部に位置します。
四万温泉をはじめ、四万川流域は過去に何度も水害に見舞われ、そのたびに家屋の損壊や怪我人、時には犠牲者も出ていました。
なかでも、昭和10年9月の台風では四万川流域だけで64人もの犠牲者を出しているのです。
近年でも昭和56年8月、57年8月、63年8月、平成元年7月に、台風や豪雨による水害が発生しました。

以前、イベントで四万川ダム管理事務所にお邪魔した時に見せてもらったパネルは衝撃的でした。
それは昭和56年8月23日、台風15号によっておこされた水害の写真でしたが、そこに写っているものは・・・
あの美しい水が。
不自然なほどに美しい青さを誇る四万川の水が。
青さの面影すらない茶色い濁流となって温泉街を襲っている写真でした。

この台風により、床下浸水487戸 床上浸水17戸 流失全壊3戸という被害が発生、農地13.33haが冠水しました。被害総額は中之条町全体で14億5千万円に上ったそうです。

暴れ川故、何度も河川改修計画が出たものの、上流部に四万温泉街を抱えているため大規模な改修ができず、治水目的でその温泉街の直ぐ上流にダム建設という手段が選択されたとのこと。
そして作られた四万川ダムは、粛々とその任された仕事をしています。


四万川ダム建設後の平成11年8月13日から16日にかけて、群馬県で豪雨が観測されました。
四万川ダムでも累計雨量274mm、最大時間雨量54mmを観測し、最大流入量98.5立方m/sを記録しています。
このとき四万川ダムは流入量の79%をカットし、一時的に113万立方mの水を貯留しています。その結果、下流観測地点における水位をダムがない場合と比較して97cm低減させたのです。
そう、いまや四万温泉での洪水被害はゼロなのです。

見目麗しく機能抜群、最高じゃないですか。ダメダムなんかじゃありません。
ダム湖の青い水、美しい堤体、堤体直下の公園、そして美しく水が流れる減勢工などを見るにつけ、四万川ダムサイトのトータルデザインコンセプトは、地元の方が四万川に対して「こうあって欲しい」と願い続けた祈りの姿に近いのではないか、と思えてなりません。


暴れ川ではなく、水の恵みを齎す川であってほしいという祈り。
もう二度と水害が起こってほしくないという祈り。
そして、ダムは流域を守る城砦であってほしいという祈り。
そう思えば…

このちょっと過剰な装飾も、許せませんか?
 

(2011.6.15、夕顔)


■ テーマページ(抄) → テーマページ目次

「ダムナイト5〜ダムのデザイン、どうしてこうなった〜」
そのあらまし

○四万川ダム

(takane)それでは四万川ダムの壁面の話。群馬県のダム。水が青い色。原因はわからないようだ。堤体の表面に飾りが彫り込んである。型枠で造っている。



 何を使っているか調べたらすぐわかった。積水の製品。ランマットというので、5種類ある。これを組み合わせる。サイズがあって、計ってみたら、カタログにあるL使っている。価格表もある。Aは1万586円。



 ダムのコンクリートを打つとき、一定の高さで打っていく。1リフトが75センチ。これと型枠の高さが一致しない。


 なぜこうしたか。工事誌には景観に配慮してとあるが、なぜあの形かは書いてない。近くに坂本ダムがあって、その再開発でもランマットが使われていた。坂本ダムの工事誌には理由が書いてある。大きな模様を選んだと。細かだとうっとうしいと言うことか。坂本ダムと四万川ダムは年代がそれほど変わらない。





 古いダムは布積みなどが使われていたが、それを参照した形跡がない。突然出てきた。
 日本全国に12カ所、似たような石積みっぽいものが採用されているダムがある。


 
 
 ・・・→ 全文はこちら
(2011年8月作成)


→ ダム便覧の説明
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