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■いよいよダム本体の見学

 さて、温井ダムの概要を勉強したあとは、もう一つの班と交代で、ダム本体の見学です。案内してもらえたのは放流設備と放流設備までの通路・・通称キャットウォーク監査廊です。

 エレベータで降りて、まず中位標高放流設備へ案内してもらいました。監査廊(かんさろう・設備の点検などのために使うトンネル状の通路です)を歩いて、キャットウォークに・・キャットウォークとはアーチダムの前面に設置してある通路です。温井ダムの場合、ガラスの覆いがあり悪天候でも濡れずに歩けますが、他のダムの場合は、通路があるだけで雨の時は雨がかかるそうです。キャットウォークの片方はダム本体のコンクリートです、ダムのコンクリートをさわって確かめている人もいらっしゃいました。


中位標高放流設備の内部です・・ここの下にホロージェットバルブがあります。ここから下に降りてバルブを見ることができました。
 中位標高放流設備はホロージェットバルブという形式のバルブが2つあり、最大で毎秒60立方メートルの水を放流できます。洪水の初期や小規模な洪水、ダムの水位を調整する時、それと、春先のフラッシュ放流などで使われます。バルブの前で、職員さんがバルブの動作の仕組みを説明してくれました(写真参照)・・バルブは間近で見るとても大きく、その迫力に圧倒されます。参加者皆さんバルブの写真を写したり、バルブのある場所から下流の方向を写されていました。普段入れない場所だけに、貴重な写真になりそうですね・・

(左)ホロージェットバルブの動作を解説する管理所の職員さん・・職員さんに比べて後方のバルブがかなり大きいことが分かります。
(中)ホロージェットバルブの動作の説明・・上が放流している状態、下が閉じている状態・・バルブの中のコマのような物を油圧で動かして制御するそうです。
(右)ホロージェットバルブ・・ジェット機のエンジンを連想させるようなカタチです。
 中位標高放流設備の次は・・台風18号の時に活躍した常用洪水吐コンジットゲート)へ案内してもらえました。エレベータでさらに下に降りて、しばらく監査廊を歩き、キャットウォークへ、先ほどのキャットウォークより下に設置してあるキャットウォークです。ダムの曲がり具合が違うことに気が付いた方がいて、職員さんに質問されていました・・「温井ダムはコンピュータで綿密にシミュレーションして設計していて、複雑な曲面になっています。それで、上のキャットウォークと下のキャットウォークでダムの曲がり具合が異なるんです」ということだそうです・・

(左)キャットウォークを歩く参加者と管理所職員さん・・温井ダムのキャットウォークはこのようにガラスで覆われています、床に板がしいてあり下は見えません。他のダムでは覆いは無いし、床には格子状の物がしいてあるので、下が丸見えで怖いそうです。
(右)螺旋階段を降りて、常用洪水吐(じょうようこうずいばき)へ向かいます。ちょっと怖いです。目の前に超高圧ローラゲートの支えが見えています。
 常用洪水吐へ行くには、さらに螺旋階段を降ります・・ちょっと怖いです。先に、コンジットゲートの下へ到着している参加者から、すごい!・・なんて言葉が聞こえてきます。見上げると・・本当に、大きくて迫力のあるゲートです。

 コンジットゲートは超高圧ローラゲートというゲートで、高い水圧がかかっています(ちなみに、このゲートの裏まで水がきています)。そのため、ものすごく分厚い・・ただ、中が全て金属というわけでなく、分厚いゲートの中は中空になっていて、強度を確保するためリブがたくさん入っているということです。また、ゲートを見学している私たちが立っている出っ張りを施工するのは難しかったそうです。アーチダムは薄いので、ちょっとした出っ張りもいろんな工夫が必要なんだそうです。また、ゲートを両側から支えている部分は高い強度を持ったH鋼形の金属ですが・・これが丸出しだと、ダム本体のコンクリートとデザインの調和がとれないということで、塗装の色などが工夫されているという話もされていました。
常用洪水吐(じょうようこうずいばき)の超高圧ローラゲートです。普通のローラゲートとは全く違うカタチになっています。下から見上げると、とても大きかったです。

常用洪水吐の下にある出っ張り・・私たちも、ここから見学しました。管理点検のために必要なのですが、造るのは難しかったそうです。
 普段入れない所ということもあり、皆さんいろいろ撮影されていました。下流方向を見ると、減勢工の側壁よりこっちが低いんですね・・・ 

 ダムの見学が終わると、もう一つの班は資料館での勉強が終わっていました。最後に、おみやげの温井ダムグッズをもらいました・・管理所職員さんと記念撮影される方もいました。

 温井ダム管理所の皆様、どうもありがとうございました。


龍姫湖まつりin温井ダムのメイン会場です。当日は多くの観光客でにぎわいました。

 さて、2004龍姫湖まつりin温井ダムのメイン会場はたくさんのお客さんが集まり大盛況でした。ちなみに、メイン会場の大きなステージは、実は工事の時に使われた施設を取り壊さずに改造した物なんだそうです。
 イベントも楽しく、特に子どもさんにも楽しめる催しも用意されていました。楽しいひとときを過ごすことができて、よい思い出ができました・・。

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