12. 片桐ダム（片桐松川）の建設
|
片桐松川は、その源を中央アルプス念丈岳2291ｍに発し、東に流れ天竜川河岸段丘をほぼ直角に横切って松川町上新井地先で天竜川に注ぐ。流域面積28.4km2、延長13.1km、河川床勾配は約１／16と急流河川で度々水害を起こしてきた。伊那谷は中央自動車道開通に伴って松川町は大いに発展が見込まれ、生活用水の需要の拡大されることから、片桐ダムの建設が要請された。
片桐ダムは天竜川右支川片桐松川の長野県下伊那郡松川町上片桐に位置し、平成３年に完成した。このダムの建設記録について、飯田建設事務所編『片桐ダム工事誌』（長野県土木部・平成２年）、熊谷・不動・吉川建設共同体編・発行『片桐ダム工事写真集』（平成２年）がある。この書によると、ダムの目的はダム地点の計画水流量 210m3／ｓのうち、94m3／ｓの洪水調節を行い、ダム地点下流の片桐松川沿岸の既得用水の補給するとともに、松川町に対し、水道用水3500m3／日を供給するものである。
ダムの諸元は堤高59.2ｍ、堤頂長 250ｍ、堤体積21万m3、総貯水容量 184万m3、型式は重力式コンクリートダム、起業者は長野県、施工者は（株）熊谷組、不動建設（株）、吉川建設（株）共同企業体。事業費は 138.7億円を要した。なお、用地取得面積13.9haとなっている。
|
|
|
|
|
|
 『片桐ダム工事誌』 |
|
|
 『片桐ダム工事写真集』 |
|
|
 片桐ダム |
|
|