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(5) ダム湖の利用 |
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平成13年の首都近郊の宮ヶ瀬ダム(神奈川県)は、驚くことに135万人(平成15年度ダム湖利用実態調査)も訪れたという。今まで第1位であった御所ダム(岩手県)を抜いてトップの座を占めた。(河川情報センター編・発行「PORTAL 038」)
ダム水源地環境整備センター編「北へ。南へ。−全国ダム湖利用施設/利用状況」(株式会社光和・平成11年)で御所ダムの利用状況をみてみたい。
御所ダムは盛岡市中心部から西へ12qに位置する、都市に隣接したダムである。ダム湖周辺では岩手県等による広域公園事業が進められ、盛岡手づくり村(南部曲り家、手づくり工房)、のりもの広場(ゴーカートコース、ローラースベリ台)、御所大橋運動場(野球場、テニスコート)、つなぎスイミングセンター、ファミリーランド、塩ケ森水辺園地、尾入野温生植物園などの湖周辺が整備された。
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「北へ。南へ。−全国ダム湖利用施設/利用状況」 |
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また、イベントとして、春には御所湖まつり、秋にはトライアスロン大会と御所湖一周ロードレース大会が開催され賑わっている。平成9年の年間利用状況は115万人に及ぶ。盛岡市民らレクリエーション、スポーツ、学習の場となっている。(図5)
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このようにみてくると、ダムは治水、利水の目的を持っているが、最近は親水機能の評価が高まってきたといえる。
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(6) 土木遺産を歩く |
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伊東孝、馬場俊介、松山巖、西山芳一著「とっておきの風景 水辺の土木」(INAX出版・平成15年)のなかにも、前掲書「ダム」と同様に白いレースが下りてくる日本一優雅なダム白水堰堤をとりあげている。白水堰堤は堤高14.1m、堤頂長87.3m、総貯水容量60万m3、型式は越流型重力式コンクリートダムで、昭和13年に完成。ここに貯水された水は、竹田市片ケ瀬から下流の緒方町までの水田338haを潤す。
さらに、この書では、立山の急流と闘った砂防工事白岩砂防ダム(富山県)、重厚な石張りの日本の最古のアーチダム旧大湊ダム(青森県)、石積みダムがつくる柔らかな流紋千苅ダム(兵庫県)、農民が築いたマルチプルアーチ豊稔池ダム(香川県)、水が白く泡立つ直線勾配型ダム藤倉ダム(秋田県)、謎に包まれたコンクリート階段相沼内ダム(北海道)、自然の岩を配した「ナイアガラの滝」長篠発電所余水吐(愛知県)、モダニズムを体現した簡潔なフォルム小屋平ダム(富山県)、ダイナミズムと繊細さを併せ持つ上田池ダム(兵庫県)、コンクリートダムでは珍しい鱗状の流紋馬ケ城ダム(愛知県)、ユニークな矢羽根模様の玉石張り青下ダム(宮城県)、美しいカスケード誇る上水道施設奥沢水源地(北海道)を捉えている。これらのダムは、用強美の備わった土木遺産となっており、訪れれば誰でも感動を覚える。先人たちのダム技術者の高貴な意志が現れている。
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「とっておきの風景 水辺の土木」 |
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おわりに、土木学会土木史研究委員会編「日本の近代土木遺産」(土木学会・平成17年)、の書を手にして、千歳第三ダム(北海道)、立石取水堰堤(青森県)、丸沼ダム(群馬県)、境浦堰堤(東京都)、馬ヶ城貯水池堰堤(愛知県)、山田池堰堤(兵庫県)、小牧ダム(富山県)、淡海池堰堤(滋賀県)、恩原ダム(岡山県)、大橋ダム(高知県)、山の田堰堤(長崎県)など、重要な土木構造物を訪ねる旅もまた興味がつきない。
ダム囲む花千本の明りかな (尾曲文子)
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「日本の近代土木遺産」 |
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