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ダム番号:3616
 
河内ダム [福岡県](かわち)



ダム写真

(撮影:安河内孝)
118111 安河内孝
118090 安河内孝
113410 安河内孝
098143 だい
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どんなダム
 
八幡製鐵所に工業用水を供給
___ 第一次世界大戦による鉄の需要増に対処するため建設された官営八幡製鉄所のダム。八幡製鉄所に工業用水を供給した。
建設当時東洋一と言われた
___
重力式コンクリートダムで、表面は石積み。戦前の貯水池ダムとしては最も高く、貯水量700万tは当時東洋一であった。コンクリートの堤体は、伸縮継手が堰堤縦断面方向に6箇所設けられ、7ブロックに区分されている。工事は人力作業中心で、延べ90万人とも言われるほど膨大な人力を要したが、殉職した人はいなかったという。土木学会選奨土木遺産に認定されている。
[写真](撮影:安河内孝)
観光名所
___ 現在、ダム周辺には大正ロマンを感じさせる建造物などがあり、湖畔をゆっくり散策できる。北九州市の観光名所の一つ。
シリーズ ダム百選 投票から
第 23 回  『 近くでキャンプができるダム 』
■ 河内貯水池のバックウォーターでキャンプができます。貯水池の周りはサイクリングに最適です。(レンタサイクルあり) 歴史ある河内堰堤、めがね橋(南河内橋)を楽しみながらのサイクリングは最高ですよ。春は桜がきれいです。 (とんだとんだ)
テーマページ 「ダムナイト5〜ダムのデザイン、どうしてこうなった〜」 そのあらまし
Let's visit a historical dam  file.11  河内堰堤 「石積の美学」
左岸所在 福岡県北九州市八幡東区大字大蔵  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯33度50分17秒,東経130度48分38秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  白木(5km)  (6km)  道原(7km)  菖蒲谷(8km)  ます渕(9km)  福智山(9km)

河川 板櫃川水系板櫃川
目的/型式 I/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 43.1m/189m/68千m3
流域面積/湛水面積 20km2 ( 直接:10km2 間接:10km2 ) /51ha
総貯水容量/有効貯水容量 7000千m3/7000千m3
ダム事業者 八幡製鐵所
本体施工者 ダム事業者直営
着手/竣工 1919/1927
ダム湖名 河内貯水池 (かわちちょすいち)
リンク Damstyle・河内ダム
THE SIDE WAY・河内堰堤
ウィキペディア・河内貯水池
諸元等データの変遷 【10当初→10最終】追加
【12最終→13当初】本体施工者[八幡製鐵所→ダム事業者直営]

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「ダムナイト5〜ダムのデザイン、どうしてこうなった〜」
そのあらまし

○石積みダムの積まれ方

(takane)続いて、石積みダムの話。日本でコンクリートダムが最初に造られた時期は、表面に石が使われた。



(中村)石を積んでいって、その中にコンクリートを入れているだけ。メイソンリーと言って、昔からやっている。今は石を張る技術が大変なので、コンクリートブロックでやっているのが増えている。プレキャストと型枠の先祖。
 ついでに、粗石コンクリートとあるが、コンクリート節約するために大きい石を放り込む。周りは普通のコンクリート。最近砂防ダムなどでも、合理化施工でやられている。いかにも良さそうだが、ブリージングと言って、大きな石の下のコンクリートから水が上がってきて、出所がないからそれが石の下に張り付いて、そこが水みちになってしまう。それで、今はやらない。

(takane)次に具体的な例。北九州の河内ダム。今も使われているようだ。それから、豊稔池ダム。 この積み方は布積みと言って、石を煉瓦みたいに積む。目地が横に通っている。だいたいダムの石積みは布積みが多い。




 ・・・→ 全文はこちら
(2011年8月作成)



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Let's visit a historical dam 
file.11 
河内堰堤 「石積の美学」

by ダムマイスター 01-007 清水 篤 
プライベートサイト 『THE SIDE WAY』

所在地: 左岸 福岡県北九州市八幡東区大字大蔵
ダム形式: 重力式コンクリートダム
堤高: 43.1m
堤頂長: 189m
竣工年: 1927年
目的: 工業用水
ダム事業者: 新日本製鐵株式会社



 


北九州都市高速 大谷インターから5キロ程、
山間に石積のコンクリートダムが見えて来ました、河内堰堤です。
堤頂付近の急な勾配が石積堰堤ならではの凛とした佇まいを魅せています。

 


天端は開放され、自由に散策を楽しむ事ができます。
石貼りで舗装された天端通路。錆色に仕上げたアイアンもとても風情があります。

 


そして何より圧巻なのは石材で緻密に細工が施された高欄の装飾です。
小さな割石がびっしりと埋め込まれているのです。
この年代の石積堰堤は今迄いくつか見学してきましたが、どのダムとも違う繊細なものでした。

 


取水塔の装飾。
切石、割石、野面石・・・さまざまな表情の石を巧みに使った装飾は高欄だけに留まらず、取水設備などクレストの全ての面を多い尽くしています。

 


これら石貼りの装飾は、単に見た目の美しさだけではなく、コンクリートよりも天然石の方が劣化に強く、恒久的に美しさを維持できるとの考えがあった様です。
美観だけではなく機能を持った美しさ、それはダムの真骨頂とも言える考え方かもしれません。時代を越え、訴えかけてくるものを感じます。

 


素晴しい装飾の高欄から下流を眺めます。
ダムの直下をはじめ、ダムの周囲には幾つもの関連した建物が当時のまま現存しており、それらは散策路を歩き見学も可能です。
また、それらの関連施設は全て同じように全面的な装飾が施され、設計者の強い美学を感じるものです。

 


また、貯水池周辺の湖岸沿いには、それぞれ特徴を持った美しい橋が幾つも架けられており、その中でも南河内橋は国内唯一のレンティキュラートラス橋として国の重要文化財の指定を受けています。

 


天端を渡った先、右岸の斜面にあった石碑。
石垣の積み方にも拘りが見て取れます。

KAWACHI RESERVOIR.
DESIGNED AND BUILT BY
H.NUMATA. M.AM.SOC.CE.
このダムの設計者である沼田尚徳氏の名前が刻まれていました。
河内堰堤は一つの作品と言える名堤なのです。



散策路を降りて、ダムの真下にやって来ました。
堤高43.1m、着工時は国内最高峰のダムとなるはずでしたが、アメリカの技術を導入し工事の機械化を進め一足先に53mを築堤した大井ダムにタイトルを譲る事となります。
ですが、見上げる河内堰堤は石積堰堤として最大級の立派なダムである事は一目瞭然です。
河内堰堤と周辺の関連するダム施設らは、土木学会認定の「選奨土木遺産」の認定を受けています。
天端は湖畔からのサイクリングロードのコースにもなっていて、レジャーを楽しむ人々の姿がありました。また、春には竣工記念として植樹された沢山の桜が咲き誇るそうです。

是非、時間をかけてゆっくりと散策をして頂きたい素晴しい河内堰堤でした。


(2010年12月作成)


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