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北九州都市高速 大谷インターから5キロ程、 山間に石積のコンクリートダムが見えて来ました、河内堰堤です。 堤頂付近の急な勾配が石積堰堤ならではの凛とした佇まいを魅せています。
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天端は開放され、自由に散策を楽しむ事ができます。 石貼りで舗装された天端通路。錆色に仕上げたアイアンもとても風情があります。
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そして何より圧巻なのは石材で緻密に細工が施された高欄の装飾です。 小さな割石がびっしりと埋め込まれているのです。 この年代の石積堰堤は今迄いくつか見学してきましたが、どのダムとも違う繊細なものでした。
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取水塔の装飾。 切石、割石、野面石・・・さまざまな表情の石を巧みに使った装飾は高欄だけに留まらず、取水設備などクレストの全ての面を多い尽くしています。
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これら石貼りの装飾は、単に見た目の美しさだけではなく、コンクリートよりも天然石の方が劣化に強く、恒久的に美しさを維持できるとの考えがあった様です。 美観だけではなく機能を持った美しさ、それはダムの真骨頂とも言える考え方かもしれません。時代を越え、訴えかけてくるものを感じます。
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素晴しい装飾の高欄から下流を眺めます。 ダムの直下をはじめ、ダムの周囲には幾つもの関連した建物が当時のまま現存しており、それらは散策路を歩き見学も可能です。 また、それらの関連施設は全て同じように全面的な装飾が施され、設計者の強い美学を感じるものです。
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また、貯水池周辺の湖岸沿いには、それぞれ特徴を持った美しい橋が幾つも架けられており、その中でも南河内橋は国内唯一のレンティキュラートラス橋として国の重要文化財の指定を受けています。
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天端を渡った先、右岸の斜面にあった石碑。 石垣の積み方にも拘りが見て取れます。
KAWACHI RESERVOIR. DESIGNED AND BUILT BY H.NUMATA. M.AM.SOC.CE. このダムの設計者である沼田尚徳氏の名前が刻まれていました。 河内堰堤は一つの作品と言える名堤なのです。
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散策路を降りて、ダムの真下にやって来ました。 堤高43.1m、着工時は国内最高峰のダムとなるはずでしたが、アメリカの技術を導入し工事の機械化を進め一足先に53mを築堤した大井ダムにタイトルを譲る事となります。 ですが、見上げる河内堰堤は石積堰堤として最大級の立派なダムである事は一目瞭然です。
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