二瀬ダムに到着する直前に「三十槌の氷柱(みそつちのつらら)」という大きな案内板があります。以前から気にはなっていたものですが、これまで訪れる機会はありませんでした。
三十槌の氷柱入口 ダム管理所にも、秩父の三大氷柱の一つとしてリーフレットが置かれ大々的にPRされています。秩父では、「三十槌の氷柱」「あしがくぼの氷柱」「尾ノ内氷柱」の3つを冬の観光の目玉として売り出しているようです。
三大氷柱のリーフレット(二瀬ダム管理所) 三十槌の氷柱は、二瀬ダム下流の荒川右岸の岩肌を貫く水が冷気にさらさられて成長したものです。この氷柱は、天然のものと、人為的に水を流して作られたものに区分されていました。とは言え両者とも、神秘的な厳冬の世界を醸し出している点で差異はありません。
天然氷柱ゾーン 現地では「天然」と「人工」を、こだわるように区別していました。
人工氷柱ゾーンの説明 写真前方が荒川右岸で、右方向が上流の二瀬ダム方向です。左岸側の川原の雪上に立っている人物(左下)と対比すると、氷柱の大きさを実感できます。
人工氷柱ゾーン 氷柱の源が、自然の岩清水か人間が意図的に流した水であるかの違いだけであり、この巨大な氷のオブジェを完成させたのは自然の地形と気候条件にほかなりません。
天然氷柱ゾーンの説明 この冬は、昨年末以来の暖冬であったため氷柱の成長が遅れたそうですが、今般の寒波で氷柱は見頃を迎えているということでした。
ライトアップ電源の説明 夜間(17:00〜19:00)は、ライトアップも行われ、より幻想的な光景が演出されています。このライトアップに使用される電力は、使用済み天ぷら油を利用したバイオディーゼル発電(BDF)によるもので環境にやさしい電力であることが力説されていました。
天然氷柱ゾーンのライトアップ ディーゼル発電ですから、燃焼過程による二酸化炭素の発生は不可避です。しかし、燃料に植物由来の油を使用した場合は、「その植物がすでに吸収した二酸化炭素を排出しているに過ぎない」という解釈から京都議定書上ではプラスマイナスゼロと計算されるそうです。それゆえ二酸化炭素の排出量が少ない『環境に配慮した』電力と言われるようです。
冬の二瀬ダム 荒川上流域は、水力発電所が活躍している場所ですから、二酸化炭素を全く排出しない発電方法にも目を向けて欲しいと思いました。これは「灯台下暗し」ということでしょうか。
天然氷柱ゾーンのライトアップ ライトアップされた氷柱は当に素晴らしいものでした。
環境整備協力金募金箱 この「三十槌の氷柱」は、見学にあたり特に入場料金等は徴収されません。入口には秩父観光協会大滝支部設置の募金箱がありますので趣旨に賛同される方はご協力をお願いします。また、この貴重な自然の造形美を子々孫々に伝えなければならないと思いました。
人工氷柱ゾーンのライトアップ
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(2016.2.12、ダムマイスター 01-024 安部塁)
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