工事のため水位を下げている津軽ダムでは、ダム湖である津軽白神湖に沈んだ目屋ダムが顔を覗かせています。昨夏のように渇水による水位低下で出現することはあるにしても、冬のこの時期の水位低下はそうそうあるとは思えません。結氷したダム湖に浮かぶ雪の目屋ダムを目にしようと津軽ダムへ行ってきました。
津軽白神湖に浮かぶ目屋ダム
せっかくなので、管理所の職員の方に昨年の津軽ダムのお話を伺ってみました。
覚えている人もいるかとは思いますが、目屋ダムが日本ダムアワード2015で低水管理賞を受賞したのが約2年前。2015年の渇水時には番水制がとられ、目屋ダムの水を空っぽにするほどでした。
昨年2017年はその際の降水量よりも少なかったそうで、津軽ダムからもかなりの量の水を補給することになり、目屋ダムの天端が顔を出すぐらいの水位低下があったそうです。にもかかわらず、昨夏は番水制がとられることもなく、常に必要量の水が岩木川を流れ、米の作付や出来も例年以上でした。このことは県内でも高く評価され、現地新聞等でも頻繁に大きく報道されていたようです。
「津軽ダムの整備効果について」
もっとも、昨夏はダムの水位低下によって、昨年運航を開始した水陸両用バスが3か月ほど運休することになってしまったとのこと。水陸両用バスの安全運航基準というものがあり、一定の水位が確保できていないと運航ができなくなってしまうそうです。今年こそは運休せずに毎日運航できることを祈ります。
2017年5月 運航開始時の水陸両用バス
「目屋ダムは津軽ダムが出来上がったら、もう見られることはめったにないよ。」
建設中の見学会などでは、毎回のように見学者にこう話し続けてきたそうです。私も何度となく聞いてきましたし、見学者に伝えているだけではなく、管理所の職員さんもずっとその認識でいたそうです。ところが、実際に運用が始まって、夏/冬と立て続けに目屋ダムが顔を出す状態になってしまったので、ちょっと困惑しているとのことでした。
いちファンとしては、こういう機会に目屋ダム見学会でも実施してほしいところですが、冷静に考えれば、目屋ダムは手すりもすでに撤去してしまっているため、安全確保の観点からは難しそうです。残念。
乳穂ヶ滝(におがたき)
滝の流れが凍り地面とつながり氷柱となると、その年は豊作となるそうです。
2月3日から2月18日の乳穂ヶ滝氷祭までの期間は、津軽ダムのライトアップも予定しています。2月下旬ぐらいまでは現在の水位を維持する予定らしいので、この時期に是非津軽ダム/目屋
ダムをご覧ください。