[テーマページ目次] [ダム便覧] [Home]


3.揖保川 〜 引原ダム・安富ダムの建設


『揖保川総合開発事業竣工記念』

引原ダム(音水湖)の建設 
 揖保川は、兵庫県宍栗郡一宮町の藤無山(標高1139m)を源流とし、右支川引原川と一宮町曲里地点で合流後、伊沢川、菅野川、栗栖川等を集め、下流部で左支川林田川と合流し、西播磨の平野部を形成して播磨灘に注ぐ流域面積 810km2、延長69.7kmの一級河川であ
る。

 宍栗郡波賀町日の原に位置する引原ダムは、昭和17年「揖保川河水統制事業」として着工したが、太平洋戦争により、労務、資材の供給に支障をきたし、工事を中断、昭和28年に揖保川総合開発事業として建設が再開され昭和32年に完成した。この工事記録について、兵庫県編・発行『揖保川総合開発事業竣工記念』(昭和33年)の写真集が発行されている。引原ダムの諸元は、堤高66m、堤頂長 184.4m、総貯水容量2195万m3、重力式コンクリートダムで、総事業費は 180億円である。起業者は兵庫県、施工者は(株)熊谷組である。


引原ダム

 このダムの目的は洪水調節( 470m3/s→ 100m3/s)、維持用水、工業用水( 202,000m3/日)、発電をもって、西播磨臨海工業地帯の発展に寄与することにあった。戦後経済復興時に、引原ダムは大きな役割を果たした。

 この写真集をめくると、事務所内の様子がうかがわれ、天井から電灯が吊るされ、夏であろうか、木机の上に設計図を広げ業務に励む半袖姿の職員が写し出されており、懐かしさを覚える。昭和30年ころは、まだコンサルへの委託もなく、測量、設計、積算業務は、すべて直轄で行われていたことがわかる。


安富ダム

安富ダム(富栖湖)の建設 
 林田川における兵庫県宍栗郡安富町皆河地点に位置する安富ダムは、昭和60年に完成した。安富ダムの目的は、ダム地点の計画高水流量 300m3/sのうち、 200m3/sの洪水調節を行い、林田川沿岸地域(安富町、姫路市林田町、竜野市、太子町)の洪水による災害を防除するものである。


『安富ダム工事誌』

 この建設の記録として、兵庫県竜野土木事務所編・発行『安富ダム工事誌』(昭和61年)が発行され、その事業の必要性について、「昭和40年9月23号、24号台風による出水が多大な被害を及ぼしたからである」と述べられている。
 ダムの諸元は堤高50.5m、堤頂長 145m、総貯水容量 295万m3、重力式コンクリートダムであって、洪水調節は自然調節方式で行う。起業者は兵庫県、施工者は大成建設(株)、(株)神崎組共同企業体で、総事業費は82.1億円である。

[前ページ] [次ページ] [目次に戻る]
[テーマページ目次] [ダム便覧] [Home]