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3.圧縮空気エネルギーの利用

 ダム放流エネルギーは水力発電により利用されているが、小放流量、低落差の小水力エネルギーは水力発電に利用されず、未利用のまま放流されていた。このような従来利用されなかった小水力エネルギーの利用に着目し、ダム用空気エネルギーシステム(DAS、Dam Air-energy System)の開発を行った。

 DASは、水力によって圧縮空気を製造し、それを

・深層曝気設備
・浅層曝気設備(噴水機能付き)
・空気ロック式選択取水設備
・エアリフト魚道

に使用するシステム。

【DAS全体概念図】

 DASにより、

・未利用クリーンエネルギーの活用
・ダム湖の水環境の改善
・電力消費抑制によるCO2の削減
・ダム管理コストの縮減

などの効果が得られる。

【圧縮空気の製造】

 水力エネルギーで圧縮空気を製造するために、新たに水力式空気製造装置(水力コンプレッサ)を開発した。

【深層曝気設備】

【浅層曝気設備】

【エアリフト魚道】

 圧縮空気によって上昇水流を作り、それにより魚類を高い場所に送るという従来にない発送の魚道。下流の減勢工からダム天端の高さの上池まで、高低差54m、水平距離200mを魚送する設備を2003年に完成させ、試験を行って、魚体への影響はほとんどなく、遡上効果が大きいことを確認した。




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